2017.03.07 Tuesday/00:31 |
【17-044】ロスト・エモーション(ネタバレあり) ★★★☆☆ |
category: 2017年の映画レビュー | author: moeru-movie |
小さいシアター3でなくシアター2での上映だったのに満席だったロスト・エモーションを未体験ゾーンから鑑賞。
世界戦争によって地上の99.6%が破壊された近未来。
滅亡の危機に瀕した人類は、遺伝子操作を施した感情のない人間の共同体「イコールズ」をつくった。
そこで暮らす人々は保健安全局の監視下に置かれ、愛情や欲望といった感情が生まれると、「発症」したとして隔離施設へ送られ、安楽死させられる運命にあった。
そんな環境下で、感情を「発症」してしまったサイラスとニアは、外の世界への脱出を決意する。
未体験ゾーン映画と言っても、さすがにリドリー・スコット製作総指揮と謳われるとクソ映画な訳は無いだろうと思えちゃう。
だから満席だったんだろうと思うけど、肝心の映画の方は・・・・まあ全編通して独特の空気感です。
近未来が舞台なんだけど、「感情を持つ事=悪」とされる世界(世界が滅んだのは人間の感情が元凶と言う考え方による)ゆえに、多くの事がオートメーション化された世界に生きる人の大半が無表情・無感情のロボットのようです。
そんな中、密かに感情を「発症」してしまった男女の話なんですが、まあ中盤過ぎくらいまで恐ろしいくらい静かな映画で、まるで「環境映画」「ヒーリング効果満点」な感じで、ちょっと疲れが溜まっていると、あっちの世界に誘われてしまいます。
しかし、美しい画面に誘われて寝てはいけません。そのロケ地の多くは日本なのです!
どの場面がどこかは分かりませんが(きっと誰かが調べてネットに書いてくれてます)、「おっ!日本!!」とは分からないけど、言われりゃ「そんな感じがするかも」と思う不思議な画はしっかり見ておく価値があります。
そんなマッタリとした感じで進んで行きますが、主人公のサイラスとニアが「遠くに逃げよう」と決めてからの展開はなかなかスリリングです。
「近日中に脱出」という時になってニアに「受胎命令」が出て連行されてしまう。
連行先で検査すると、ニアが既に妊娠している事が判明してしまう。
感情を持たない=恋愛感情も無い世界なはずなのに妊娠しているとなると、これは男の方も含めてタダじゃ済まされない。
サイラスは、ニアを助けに施設に向かうが、施設の方では内通者による助けもあってニアと別の女(既に死んでいる)の身分(と言うか、生体認証のデータとか)を入れ替えて施設を脱出。
入れ違いに施設を訪れたサイラスは、ニアが死んだ事を知らされる・・・。
こんな感じで2人はすれ違いになるんですが、従来は感情を持った人間は安楽死処分させられてたんだけど、特効薬が開発され、首元に何か打つだけで元の生活に戻れるという状況になっています。
ニアはサイラスの住んでいる所に帰ってサイラスを待ちますが、じき帰って来たサイラスの首元には何か打った後のパッチが貼られていました・・・・
この「特効薬」なんだけど、平たく言えば「ロボトミー手術」と一緒なんですよ。
薬が効けば、それまでの人格は無くなって別人(と言うか、もはや人間ですらないかも)になっちゃう。
その薬を打たれたサイラスは、薬が効き始める6時間後まで何とか頑張ろうとするけど、まあ時間が来れば屍みたいになっちゃうよな・・・・って事でハッキリ言ってバッドエンドと言えるでしょう。
(薬に勝ったらハッピーなんだけど)
終わってみれば、その作風は「ガタカ」を感じさせるし、テーマとしては「赤ちゃんよ永遠に」に通じる所もあるし、ディストピア的な考え方は「2300年未来への旅」ともちょっと似ている。
他にも「あの映画に似てるかも」と思えるのが何本もあり、そんな過去のSF名作・迷作を思い出しながら観るのも面白いかも。
それにしても繰り返しだが、前半はすごーーく心地良くて眠いので注意せよ!!!
◆パンフレット:販売無し
よろしければポチっと投票お願いします。⇒
世界戦争によって地上の99.6%が破壊された近未来。
滅亡の危機に瀕した人類は、遺伝子操作を施した感情のない人間の共同体「イコールズ」をつくった。
そこで暮らす人々は保健安全局の監視下に置かれ、愛情や欲望といった感情が生まれると、「発症」したとして隔離施設へ送られ、安楽死させられる運命にあった。
そんな環境下で、感情を「発症」してしまったサイラスとニアは、外の世界への脱出を決意する。
未体験ゾーン映画と言っても、さすがにリドリー・スコット製作総指揮と謳われるとクソ映画な訳は無いだろうと思えちゃう。
だから満席だったんだろうと思うけど、肝心の映画の方は・・・・まあ全編通して独特の空気感です。
近未来が舞台なんだけど、「感情を持つ事=悪」とされる世界(世界が滅んだのは人間の感情が元凶と言う考え方による)ゆえに、多くの事がオートメーション化された世界に生きる人の大半が無表情・無感情のロボットのようです。
そんな中、密かに感情を「発症」してしまった男女の話なんですが、まあ中盤過ぎくらいまで恐ろしいくらい静かな映画で、まるで「環境映画」「ヒーリング効果満点」な感じで、ちょっと疲れが溜まっていると、あっちの世界に誘われてしまいます。
しかし、美しい画面に誘われて寝てはいけません。そのロケ地の多くは日本なのです!
どの場面がどこかは分かりませんが(きっと誰かが調べてネットに書いてくれてます)、「おっ!日本!!」とは分からないけど、言われりゃ「そんな感じがするかも」と思う不思議な画はしっかり見ておく価値があります。
そんなマッタリとした感じで進んで行きますが、主人公のサイラスとニアが「遠くに逃げよう」と決めてからの展開はなかなかスリリングです。
「近日中に脱出」という時になってニアに「受胎命令」が出て連行されてしまう。
連行先で検査すると、ニアが既に妊娠している事が判明してしまう。
感情を持たない=恋愛感情も無い世界なはずなのに妊娠しているとなると、これは男の方も含めてタダじゃ済まされない。
サイラスは、ニアを助けに施設に向かうが、施設の方では内通者による助けもあってニアと別の女(既に死んでいる)の身分(と言うか、生体認証のデータとか)を入れ替えて施設を脱出。
入れ違いに施設を訪れたサイラスは、ニアが死んだ事を知らされる・・・。
こんな感じで2人はすれ違いになるんですが、従来は感情を持った人間は安楽死処分させられてたんだけど、特効薬が開発され、首元に何か打つだけで元の生活に戻れるという状況になっています。
ニアはサイラスの住んでいる所に帰ってサイラスを待ちますが、じき帰って来たサイラスの首元には何か打った後のパッチが貼られていました・・・・
この「特効薬」なんだけど、平たく言えば「ロボトミー手術」と一緒なんですよ。
薬が効けば、それまでの人格は無くなって別人(と言うか、もはや人間ですらないかも)になっちゃう。
その薬を打たれたサイラスは、薬が効き始める6時間後まで何とか頑張ろうとするけど、まあ時間が来れば屍みたいになっちゃうよな・・・・って事でハッキリ言ってバッドエンドと言えるでしょう。
(薬に勝ったらハッピーなんだけど)
終わってみれば、その作風は「ガタカ」を感じさせるし、テーマとしては「赤ちゃんよ永遠に」に通じる所もあるし、ディストピア的な考え方は「2300年未来への旅」ともちょっと似ている。
他にも「あの映画に似てるかも」と思えるのが何本もあり、そんな過去のSF名作・迷作を思い出しながら観るのも面白いかも。
それにしても繰り返しだが、前半はすごーーく心地良くて眠いので注意せよ!!!
◆パンフレット:販売無し
よろしければポチっと投票お願いします。⇒
JUGEMテーマ:映画館で観た映画