2017.02.05 Sunday/00:45 |
【17-025】傷だらけの悪魔 ★★☆☆☆ |
category: 2017年の映画レビュー | author: moeru-movie |
舞台挨拶目当てで傷だらけの悪魔を鑑賞。
家庭の事情で田舎の高校に転校した葛西舞(足立)は、そこで中学時代に舞のグループにいじめられていた小田切詩乃(江野沢)に再会。
舞は詩乃のことを覚えていなかったが、恨みを抱き続けていた詩乃は、仕返しをしようと考える。そして、クラスメートを巻き込むバトルが始まり……。
元々は人を虐める側だったヤツが、一転して虐められる側に回り、そこからまた虐め返す逆転劇・・・と言うクソみたいな話は、今から10年以上前にまだ無名だった黒川芽以や沢尻エリカ主演(共にリアルJKで、沢尻の映画デビュー作)で公開された『問題のない私たち』(以下『問題』)が思い出される。
『問題』は、映画としても自分は割と気に入っている事もあり、どうしても比較してしまうんだが、結論から言うと、『問題』には全く及ばず、スッキリしない話でした。
主人公の足立梨花が虐めのターゲットになるのだが、まず前提として、この女も前に陰湿な虐めの加害者だったと言う事を忘れてはいけない。
加害者に対しては「因果応報」だし、被害者だった子は「毒を持って毒を制す」みたいな話なのです。
これが一方的に「虐めに遭う」という話なら、被害者の方を応援し、加害者の子に復讐する事で爽快感(と言う表現はふさわしくないかもしれないが)を味わう事もできるんですが、『問題』と同じく、半分は「やり返す事」に期待しながらも、「でも、こいつも同じ事やってたクズ人間なんだよな」と言う思いがあるために、誰にも感情移入できません。
『問題』の方は、再び攻守逆転した上で、虐めの愚かさを説いてそれなりに綺麗に収めましたが、この映画は自分が観た限りは、何も解決してません。スッキリしません。
別に「握手して仲直り」なんていう生温い終わり方なんて望んで無いんですが、もっとこう「人として本当に愚かな事をしてるんだよ」と言う事を知らしめて終わらせるものと思っていただけに、何かモヤっとしたまま終わって残念です。
そして肝心の「虐めの図式」ですが、足立梨花が虐められるようになったきっかけが弱いと思うんですよね。
もちろん、以前に詩乃の事を虐めてたのが分かって・・と言うきっかけがあるのは分かるんですが、実際に虐めてたのは優里亜らの一味だったのが良く分からない。
詩乃と優里亜に特段の関係性が見受けられなかったので、図式がイマイチしっくり来ませんでしたよ。
そして、『問題』の方でも、「教師の問題」エピソードがあったけど(かなりエゲツない内容だった)、この映画でもクソ教師の存在がありました。
ただ、さほど深掘りされる事もなくスルーされてしまったのも残念でした。
まあこの映画はコミック原作と言う事で、原作通りなら仕方ないですが、もうちょっと脚本で変化を付ける事はできなかったのかなぁ・・・。
さて、この映画の監督は、この映画が長編映画デビュー作となる山岸聖太。
と聞いて「おっ!」と思う人は乃木ヲタでしょう。
乃木坂46メンバーの個人PVとかMVも何本か撮ってる人ですからね。
それ繋がりで「友情出演」クレジットで伊藤万理華が出演しているのが嬉しいです。
(出番は少ないけど、台詞もまあまああって、いい芝居してたよ、まりっかは)
この映画、オープニングからスタッフクレジットが画面に出まくると言う「昭和の邦画」の見せ方で始まるんですが、エンドロール(こちらは普通です)の後に1シーンあります。
劇中、階段から転落した静ちゃんは、結局誰に突き落とされたのかがハッキリします。これは見逃し厳禁です!
最後に、キャストについてワンポイントコメントを。
足立梨花:JKには見えない。「虐める」「虐められる」のキャラの振り幅もあまり感じられず残念。
江野沢愛美:芝居レベルは高くないけど、キャラとしては良かった。虐めてた奴を虐め返すのが楽しいと思ってる所が出てた。
加弥乃:こいつは一方的な「虐めキャラ」だが、もっと凄味のある憎まれキャラになって欲しかった。
岡田結実:色々ウザい感じがしたのは地なのか役作りなのか・・・。
ん〜、しかし色々と『問題』と比べ過ぎだなぁ。。。こりゃいかんな。。。
◆パンフレット:B5判・24頁・720円
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家庭の事情で田舎の高校に転校した葛西舞(足立)は、そこで中学時代に舞のグループにいじめられていた小田切詩乃(江野沢)に再会。
舞は詩乃のことを覚えていなかったが、恨みを抱き続けていた詩乃は、仕返しをしようと考える。そして、クラスメートを巻き込むバトルが始まり……。
元々は人を虐める側だったヤツが、一転して虐められる側に回り、そこからまた虐め返す逆転劇・・・と言うクソみたいな話は、今から10年以上前にまだ無名だった黒川芽以や沢尻エリカ主演(共にリアルJKで、沢尻の映画デビュー作)で公開された『問題のない私たち』(以下『問題』)が思い出される。
『問題』は、映画としても自分は割と気に入っている事もあり、どうしても比較してしまうんだが、結論から言うと、『問題』には全く及ばず、スッキリしない話でした。
主人公の足立梨花が虐めのターゲットになるのだが、まず前提として、この女も前に陰湿な虐めの加害者だったと言う事を忘れてはいけない。
加害者に対しては「因果応報」だし、被害者だった子は「毒を持って毒を制す」みたいな話なのです。
これが一方的に「虐めに遭う」という話なら、被害者の方を応援し、加害者の子に復讐する事で爽快感(と言う表現はふさわしくないかもしれないが)を味わう事もできるんですが、『問題』と同じく、半分は「やり返す事」に期待しながらも、「でも、こいつも同じ事やってたクズ人間なんだよな」と言う思いがあるために、誰にも感情移入できません。
『問題』の方は、再び攻守逆転した上で、虐めの愚かさを説いてそれなりに綺麗に収めましたが、この映画は自分が観た限りは、何も解決してません。スッキリしません。
別に「握手して仲直り」なんていう生温い終わり方なんて望んで無いんですが、もっとこう「人として本当に愚かな事をしてるんだよ」と言う事を知らしめて終わらせるものと思っていただけに、何かモヤっとしたまま終わって残念です。
そして肝心の「虐めの図式」ですが、足立梨花が虐められるようになったきっかけが弱いと思うんですよね。
もちろん、以前に詩乃の事を虐めてたのが分かって・・と言うきっかけがあるのは分かるんですが、実際に虐めてたのは優里亜らの一味だったのが良く分からない。
詩乃と優里亜に特段の関係性が見受けられなかったので、図式がイマイチしっくり来ませんでしたよ。
そして、『問題』の方でも、「教師の問題」エピソードがあったけど(かなりエゲツない内容だった)、この映画でもクソ教師の存在がありました。
ただ、さほど深掘りされる事もなくスルーされてしまったのも残念でした。
まあこの映画はコミック原作と言う事で、原作通りなら仕方ないですが、もうちょっと脚本で変化を付ける事はできなかったのかなぁ・・・。
さて、この映画の監督は、この映画が長編映画デビュー作となる山岸聖太。
と聞いて「おっ!」と思う人は乃木ヲタでしょう。
乃木坂46メンバーの個人PVとかMVも何本か撮ってる人ですからね。
それ繋がりで「友情出演」クレジットで伊藤万理華が出演しているのが嬉しいです。
(出番は少ないけど、台詞もまあまああって、いい芝居してたよ、まりっかは)
この映画、オープニングからスタッフクレジットが画面に出まくると言う「昭和の邦画」の見せ方で始まるんですが、エンドロール(こちらは普通です)の後に1シーンあります。
劇中、階段から転落した静ちゃんは、結局誰に突き落とされたのかがハッキリします。これは見逃し厳禁です!
最後に、キャストについてワンポイントコメントを。
足立梨花:JKには見えない。「虐める」「虐められる」のキャラの振り幅もあまり感じられず残念。
江野沢愛美:芝居レベルは高くないけど、キャラとしては良かった。虐めてた奴を虐め返すのが楽しいと思ってる所が出てた。
加弥乃:こいつは一方的な「虐めキャラ」だが、もっと凄味のある憎まれキャラになって欲しかった。
岡田結実:色々ウザい感じがしたのは地なのか役作りなのか・・・。
ん〜、しかし色々と『問題』と比べ過ぎだなぁ。。。こりゃいかんな。。。
◆パンフレット:B5判・24頁・720円
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