2016.12.07 Wednesday/23:34 |
【16-134】古都 ★★☆☆☆ |
category: 2016年の映画レビュー | author: moeru-movie |
舞台挨拶目当てで古都を鑑賞。
京都、室町。家業の呉服店を継いでおよそ20年にわたって切り盛りするも、職人の相次ぐ廃業などに時代の変化を感じる佐田千重子(松雪)。
彼女は、そうした状況下で大学生の娘・舞(橋本)に店を継がせてよいものかと思い悩む。
一方、千重子と生き別れた双子の妹で林業を営む中田苗子(松雪・二役)も経営難に苦しんでいた。
さらにパリで美術を学ぶ娘・結衣(成海)が自分には才能がないと感じ落ち込んでいるのを知り、苗子はパリへ飛ぶ。
また、舞も日本文化を紹介するイベントに参加しようとパリに向かっていた。
え〜、「古都」と言うと百恵ちゃんの古都を思い浮かべるものの、そちらの映画は観ていないし、ましてや川端文学が何たるかも全く分かっておりません。
まあ、山口百恵版・古都は観ていないとは言え、話の内容は分かっているので、今回もその流れだろうと思ってたんですが、こりゃまたずいぶんと変えてきたなと言うのが正直な印象です。
別に変える事は悪く無いんですよ。
小説には小説の味があるし、山口百恵版には山口百恵ならではの良さがある。その上でオリジナリティを出そうとするのは個人的には好感を持てます。
映画は開巻早々、昭和の邦画のようにいきなりクレジット(主なキャスト・スタッフね)が画面に流れます。
そんな昭和的なオープニングクレジットなのに、監督の所になると縦書きで「Yuki Saito」と映るのが何か違和感を覚えます。
そして本編ですが、「千重子と苗子の話」ではなく、「千重子とその娘」「苗子とその娘」という2組の母娘のドラマになっております。
このそれぞれの娘2人が、自分の将来に不安を覚え、夢や目標を見失いそうになって半分やさぐれちゃってる状態という共通点があり、且つ苗子の娘(成海)は絵の勉強でパリ留学中。
一方の千重子の娘(橋本)は書道の先生に付いてパリでのイベントに同行するという「フランス繋がり」があるという話なんですが、そもそもこの出来過ぎた設定がピンと来ないし、同じパリに居ながら、実は従弟同士となる2人が絡む事も無い。(最後の最後にやっと接触はあるが)
せっかくあの大事な「帯」が伏線としてのアイテムになっていると思ったのに活用されてないし、当の千重子と苗子も絡みが無い。
何かなぁ・・・2組の親子の良くある話を並べただけの薄いお話にも見えちゃった所が残念でした。
「売り」でもある京都の風景や文化もまあまあ綺麗に映し出されてはいるんだけど、綺麗が故に物語にはしっくりと収まっていない(浮いてる)感じもしました。
特にパリでの書道シーンや橋本愛の踊りのシーンは、それ単体で観れば「ザ・日本文化!」として見ごたえはあるんだけど、そもそも橋本愛は書道の先生の「お付き」(アシスタント的な?)でパリに行ったのかと思ったら、何で最後にピンで踊りを披露してるんだか(それまで「踊りやってます。得意です」みたいなシーンあったっけ?)良く分からなかったりします。
そんな事よりも、心折れる寸前の成海璃子の泣き事を聞きながら優しく包み込む苗子母のシーンの方がよっぽどシンプルでジワジワ来ましたよ。
そんなわけで、今イチ自分の心には刺さらない1本でした。
結局この話は、本家「古都」の後日譚的な話と理解すればいいのかな・・・・??
(ちょうど原作、及び百恵ちゃん世代の千重子・苗子を演じているのが蒼あんな・れいなのガチ双子という事?)
でも、エンディング曲の「糸」(オリジナル中島みゆきの曲をカバーしたもの)は映画に合ってて良かったかな。
◆パンフレット:A4判・28頁・600円
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京都、室町。家業の呉服店を継いでおよそ20年にわたって切り盛りするも、職人の相次ぐ廃業などに時代の変化を感じる佐田千重子(松雪)。
彼女は、そうした状況下で大学生の娘・舞(橋本)に店を継がせてよいものかと思い悩む。
一方、千重子と生き別れた双子の妹で林業を営む中田苗子(松雪・二役)も経営難に苦しんでいた。
さらにパリで美術を学ぶ娘・結衣(成海)が自分には才能がないと感じ落ち込んでいるのを知り、苗子はパリへ飛ぶ。
また、舞も日本文化を紹介するイベントに参加しようとパリに向かっていた。
え〜、「古都」と言うと百恵ちゃんの古都を思い浮かべるものの、そちらの映画は観ていないし、ましてや川端文学が何たるかも全く分かっておりません。
まあ、山口百恵版・古都は観ていないとは言え、話の内容は分かっているので、今回もその流れだろうと思ってたんですが、こりゃまたずいぶんと変えてきたなと言うのが正直な印象です。
別に変える事は悪く無いんですよ。
小説には小説の味があるし、山口百恵版には山口百恵ならではの良さがある。その上でオリジナリティを出そうとするのは個人的には好感を持てます。
映画は開巻早々、昭和の邦画のようにいきなりクレジット(主なキャスト・スタッフね)が画面に流れます。
そんな昭和的なオープニングクレジットなのに、監督の所になると縦書きで「Yuki Saito」と映るのが何か違和感を覚えます。
そして本編ですが、「千重子と苗子の話」ではなく、「千重子とその娘」「苗子とその娘」という2組の母娘のドラマになっております。
このそれぞれの娘2人が、自分の将来に不安を覚え、夢や目標を見失いそうになって半分やさぐれちゃってる状態という共通点があり、且つ苗子の娘(成海)は絵の勉強でパリ留学中。
一方の千重子の娘(橋本)は書道の先生に付いてパリでのイベントに同行するという「フランス繋がり」があるという話なんですが、そもそもこの出来過ぎた設定がピンと来ないし、同じパリに居ながら、実は従弟同士となる2人が絡む事も無い。(最後の最後にやっと接触はあるが)
せっかくあの大事な「帯」が伏線としてのアイテムになっていると思ったのに活用されてないし、当の千重子と苗子も絡みが無い。
何かなぁ・・・2組の親子の良くある話を並べただけの薄いお話にも見えちゃった所が残念でした。
「売り」でもある京都の風景や文化もまあまあ綺麗に映し出されてはいるんだけど、綺麗が故に物語にはしっくりと収まっていない(浮いてる)感じもしました。
特にパリでの書道シーンや橋本愛の踊りのシーンは、それ単体で観れば「ザ・日本文化!」として見ごたえはあるんだけど、そもそも橋本愛は書道の先生の「お付き」(アシスタント的な?)でパリに行ったのかと思ったら、何で最後にピンで踊りを披露してるんだか(それまで「踊りやってます。得意です」みたいなシーンあったっけ?)良く分からなかったりします。
そんな事よりも、心折れる寸前の成海璃子の泣き事を聞きながら優しく包み込む苗子母のシーンの方がよっぽどシンプルでジワジワ来ましたよ。
そんなわけで、今イチ自分の心には刺さらない1本でした。
結局この話は、本家「古都」の後日譚的な話と理解すればいいのかな・・・・??
(ちょうど原作、及び百恵ちゃん世代の千重子・苗子を演じているのが蒼あんな・れいなのガチ双子という事?)
でも、エンディング曲の「糸」(オリジナル中島みゆきの曲をカバーしたもの)は映画に合ってて良かったかな。
◆パンフレット:A4判・28頁・600円
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