映画感想を中心とした管理人の戯言です。
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【15-011】ブラック・フィルム ★☆☆☆☆
category: 2015年の映画レビュー | author: moeru-movie
またしても宝くじを買う気分でB級ホラーのブラック・フィルムを鑑賞。

女優になって映画に出演することを夢見る中沢沙織(新垣)は、気鋭の映画監督が撮る新作映画のオーディションを受けることに。キャスト選定も兼ねているワークショップに参加した彼女は、努力のかいあって主役の座が少しずつ近づいてくる。しかし、主役を射止めるためならどんなことでもする大手芸能事務所の若手女優の存在が、沙織の心を少しずつむしばんでいき……。

宝くじって書きましたが、ホントにこの手の映画はハズレが多いのを知っていながら何故か見てしまうという日本のB級ホラーに対してはM気質な自分です。
これでもね、たまーーに「個人的にアタリ!」ってのに当たるから止められないんだけど、大半はガッカリする。
残念ながらこの映画もそんなカテゴリに収まるポンコツホラーでした。

今回は、ズバリ」「脚本がクソ過ぎる」に尽きます。
簡単に言うと、「若手女優が主役の座を奪われて、失意の中で自殺し、その怨念で関係者を殺していく」って話なんですよ。
化けて出るって話は、もう出涸らし中の出涸らしな訳で、ポイントは「怨念」なんですよ。
つまり、化けて出てまで復讐したい理由は何で、どれほどの怨念を持ってこの世に現れるのか?そこを表現しないとホラーとして成立していないと思うのです。
当然、この映画では沙織ちゃんがその対象(化けて出る人ね)なんですが、理不尽な圧力によって手中にしていた主役の座を奪われ、それでも準主役の座には収まっていたという矢先、その奪った側の女優から階段で突き落されて骨折。。。。と、まあ不幸っちゃあ不幸だし、ましてやそのワークショップの「対決」の前に母親を病気で亡くしてという不幸も重なっていた事は確かだよ。
しかし、残された唯一の肉親である妹は居るし、観たところ「絶望の淵にいる」って事でも無く、むしろ娘の笑顔を楽しみにしていた母の思いを胸に、心はまだ折れてなかったように見えたのですよ。

ところが、唐突に「中沢沙織が自殺しました」っていうヒソヒソ話だけで急展開。
なぜ妹を残してまで死ななければならなかったのか、どんな思い・憎しみ・無念さを残して死を選んだのか?と言った沙織の描写は全くありません。
これで怨念って言われても、全く説得力も怖さも無いんだよ。

で、化けて出た沙織は、プロデューサーとか監督とか次々と殺して行くのですが、何かプロデューサーは中途半端に生きてた設定の割には話は広がらないまま病院で死ぬとか(体を切り取られ、目を潰されても生きてるのがスゴいとか、あんな目立つ所に血だらけで転がされてたのに、ずいぶんと明るくなるまで発見されねーんだな!と言う所はあえて目を瞑ります)、事務所の社長まで殺されちゃう理由が良く分からん(ちゃんと自分の仕事を取って来れない逆恨み?)とか、何だか目的も良く分かりません。
その上、実際に殺すシーンもハッキリとは見せずにホラーにしては温い画で淡々としたもんですよ。

まあ、映画を観ていれば、本来は「怨念度No.1」の対象であるべきは、役を奪ったライバル女優の美穂のはずなんです。
この美穂をどれだけ恐怖の縁に追いやり、どれほどの恐怖の中で呪い殺すのか、そこにカタルシスを感じるはずなのに、何か大した事ありません。全く胸がスッとしませんよ。。。(; ̄Д ̄)
あ、その美穂ですが、こいつが極悪なのは誰が見ても明らかですが、良く考えるとやってる事に無駄が多いです。
色仕掛けで役を取ろうとするのはいいんですが、その相手がただ怒鳴り散らすだけのパワハラ的な親父監督・・・って、何か違うでしょ。そこはやっぱりプロデューサーにするか、自分の事務所の社長相手に寝て金で奪ってもらうかの方が手っ取り早いでしょ。
現に、監督と寝たおかげか何だか知らないけど、主役になったのはまだしも、ライバルの沙織が相手役になっちゃって、結局階段から突き落としてるし、それならば最初から沙織を階段から落としておけば、小汚い親父監督と寝なくて済んだのに・・・って、「そんな細けぇ事はどうでもいいんだよ」ってレベルのネタまで気になる始末でした。

B級映画だから予算が少ない・日数も少ないのは分かりますが、もうちょっと「人を呪うって、どこまでの憎しみ度合いなの?」って所をきちんと考えて脚本書かなきゃ。。。ただ「薄暗い中に黒い顔して白いコンタクトしてボーっと出現させとけば何か怖いよね」くらいの軽い気持ちでホラーが成り立つと思ったら大間違いです。
もう自分がホラー麻痺している事を差し引いても、全く怖くない映画でした。

演者の方ですが、主役の新垣ちゃんは、まあカワイイですし、キャラ自体もイメージと合っていてそこはいいのですが、とにかく中村有沙の極悪っぷりが際立っちゃって新垣ちゃんのキャラが負けちゃってるのは不幸すぎます。
他にも若手俳優がそこそこ出てますが、芝居の質は言わずもがななのは仕方が無いでしょう。

はい。内容的にはもっと突っ込み所もあったんですが、そこを笑って突っ込むよりも、ホラーとして成り立ってない所に憤りを感じてしまったために突っ込みすら拒否して辛口採点のまま終了です。
いったい今年はあと何本こんな感じのホラーを観て憤る事やら・・・(でも止められないwww)

◆パンフレット:A4判・12頁・500円

ブラック・フィルム

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