映画感想を中心とした管理人の戯言です。
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【14-033】白ゆき姫殺人事件(ネタバレあり) ★★★★★
category: 2014年の映画レビュー | author: moeru-movie
とても楽しみにしていた白ゆき姫殺人事件を初日から鑑賞。

人里離れた山中で10か所以上を刺され、焼かれた死体が発見される。殺害されたのは典子(菜々緒)で、容疑者は化粧品会社のOL城野美姫(井上)。テレビディレクターの赤星雄治(綾野)は、美姫の同僚、家族、幼なじみなどに取材。典子が美姫の同期入社で、美人で評判だった一方、美姫は地味で目立たない存在だったことが報道され……。

原作は湊かなえ氏の小説です。
そして今回は事前にこの原作を読んでいる状態での鑑賞となりました。
原作は、3分の2が登場人物各々の「語り」で構成され(聞き手は主に赤星という視点)、後ろの3分の1は、ツイッター(作中ではマンマローという架空のSNS)や雑誌記事の掲載と言う変則スタイルであった。
そのスタイルが「読みにくい」とマイナス評価を下している方も多く、確かに小説としてはかなりトリッキーな内容であった。

スタイルがどうであれ、今まで「原作小説を上回る映画」というのは、ほとんど記憶に無いのだが、今回は「原作の良さを生かした上に、映画として観やすくなってる!」という印象で、珍しく「原作超え」と言ってもいい出来に満足しました。
ただ、件のツイッター画面は、画面上に被せるようにつらつらと出てくる形となるので、ちょっと追うのがしんどい人も居るかもしれません。
そして小説では雑誌記事になっていた所は、映画ではワイドショーとなっていますが、これは活字媒体の小説と映像媒体の映画と言うそれぞれのフィールドを生かした設定なので、良かったのではないでしょうか。

そして内容の方ですが、これを「三木典子を殺したのは誰?」というありきたりなミステリーと思うと不満を感じるでしょう。
でも、この話の本質は、人の記憶の都合のよさ、報道の無責任さ、冤罪の作り方など、まさに「ゴシップ・エンタテインメント」という所でしょうか。
実際、6年前の坂出3人殺害事件における「父親怪し過ぎ」からの「まるで犯人扱い」からの「犯人じゃありませんでした」という事件もあったし、最近のSTAP細胞論文の顛末における報道の手のひら返しなど、内容の大小を問わなければ枚挙にいとまがない状態でしょう。

「私はXXXXと思うんだよね」
「XXXXに決まってる」
「きっとXXXXに違いない」

そういった不確かな条件でも、「あるシナリオ」に乗せて報道する事で、それがあたかも事実であるかのように捏造されてしまう恐怖。
「断定はできないけど」と前置きすれば何を言ってもいいみたいになっているワイドショー。
それが間違いであっても「誤解を招く表現がありました。お詫びします」だけで終わらせる雑な扱い。
(その時には、誰に対する何が誤解を招いたのか、細かい内容は一切説明されない)
そして、バカッターとも言われるツイッターで無責任にテキトー情報をツイートしまくる一般人。
ネットの掲示板も含めて、一度書いちゃうと、それの真偽がどうであれ、まるで事実であるかのように一人歩きする。
こういうのを「エンタテインメント」って言っちゃあ本当はいけないんだろうけど、まさに茶番劇とも言える顛末な事もあり、娯楽映画として楽しんでいいのではないでしょうか。

キャストですが、自分が観た限り、ほぼ完ぺきなキャスティング。
薄っぺらいクズディレクターの綾野剛、地味な井上真央、これまた地味目でブサイクな蓮佛美沙子、「いるいる!」って感じの小野恵令奈、独特なキャラの貫地谷しほり。
そしてそして、想像の100倍くらい良かったのが菜々緒。
美人だけど、優しいけど、仕事も出来るけど、しかしイヤな女。同性受けしない典型的なタイプ。
その雰囲気が良く出てたし、話題の「死体シーン」も美しい。
この映画が成功したと言えるとしたら、それは菜々緒の功績も大だと評価します。

この映画の終盤は、映画オリジナルでもある「赤毛のアン」をモチーフにしたシーン。
これには不意を突かれてじんわりと涙すら出てきました。

原作では、最後は狩野里沙子の「白ゆきOLのハッピーライフ」というブログ記事(こいつこそ真の腹黒性悪女と分かる)が参考資料として紹介されて終わっているが、映画ではそのブログ記事は無い。
その代り、小説ではとてもアッサリと「テレビに狩野里沙子が容疑者として大きく映し出されていた」と記されているにとどまっている所を、逮捕後の狩野の様子や自供という形での回想を入れ込む事で表している。

う〜ん。やっぱり小説もいいけど映画も良かったな・・・。

◆パンフレット:小型変型・52頁・667円+税

白ゆき姫殺人事件

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