映画感想を中心とした管理人の戯言です。
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【13-103】空飛ぶ金魚と世界のひみつ ☆☆☆☆☆
category: 2013年の映画レビュー | author: moeru-movie
舞台挨拶に釣られて空飛ぶ金魚と世界のひみつを鑑賞。

1995年、福岡。妻が亡くなってから、作品を作れなくなってしまった絵本作家の父・洋志(ダンカン)と暮らすみどり(優希)。そんな中、洋志が新しい母親だといって中国人女性リンリン(佐藤)を家に招き入れる。予想だにしなかった出来事にショックを受けた上に、リンリンとの文化や考え方の違いに困惑してしまい、彼女を拒否するようになるみどり。その姿を見た洋志は、二人のために再び筆を執って絵本を描こうと決意する。

「世界の人たちと平和に」「思いやり」・・・そういった事をテーマにした映画である。
素晴らしいテーマですよ。このテーマ自体にケチをつけるつもりは微塵も無いが、そういうテーマなら映画としても優れているかと言うとそうは限らない。素晴らしいテーマを生かすも殺すも映画人次第なのだ。

そしてこの映画。ハッキリ言おう。せっかくの温かいテーマをブチ壊すクソ映画だったと。

物語は年代を分けて3パートから構成されている。
本当は3パートを交互に見せる形なのだが、分かりやすくするために年代毎にまとめて以下書いていきます。

まずはメインパートとも言える1995年。
ここはダンカンと優希ちゃん親子を中心に「日本と中国」を要素にしたハートフル親子話・・・らしい。
しかし、終わってみれば、このパートは「中国女は頭がおかしい」「思いやりどころか自分本位のバカ中国女」としか見えませんよ。

<以下、あえて役名でなく演者名で記します>
冒頭。
ダンカンの寒気がするような棒芝居で幕を開けるが、そんなダンカンが連れてきた中国女の佐藤仁美。
少しでも中国人に見えるようにチャイナドレス的なものを着ている。
朝から食卓に餃子を出すのも短絡的だが、「ニンニクたっぷり入れて」と中国人らしからぬ発言(本場中国では餃子にニンニクは入れません)ですぐにボロが出る。

そして優希ちゃんが学校に登校すると、校庭の金網の向こうまで付いてきて「勉強がんばって〜」などと大袈裟に騒ぐアホ加減。(その時もチャイナ服です)
このおかげで「あの人ヘンだよ」とクラスメートから白い目で見られる優希です。。。

そして授業参観にもちゃっかり現れた(当然チャイナ服)と思ったら、数学の問題に当てられたのに分からない優希ちゃん(黒板の前で固まってる)の元までツカツカと近づいて「諦めちゃダメ!」と無茶な事を言ってドヤ顔を決めます。
そして、些細な事から喧嘩になった父娘。優希ちゃんの物言いにカッとなった中国女は思わずビンタ。(これはベタの定番)
ぶたれたショックで家を飛び出す優希ちゃんを追いかけようとするダンカンに向かって「行かないでいい。あなたは絵本を描いてて」と無茶苦茶な事を言う中国女。
すると優希ちゃんは何故かライブハウスに行き着き、チャラい男に言い寄られています。
そこに登場したのは中国女。(父親は本当に来ないと言う・・・)
チャラい男を中国拳法的なもので倒すと(ここももちろんチャイナ服)、何か言いながら壇上に上がってしまう。
すると、何故か突然歌いだすのだが、そんな無茶苦茶な展開なのに、しっかりと中国女の歌に合わせて演奏を決めるバンドマンたちwwww。
そんな破天荒な中国女とバスで帰る優希ちゃん。
そこで中国女から3人分くらいある超ロングマフラーを送られると「お母さん・・・」と急に感動して泣いています。
いったい何が優希ちゃんの心を掴んだのか良く分かりませんが、とにかく中国女を交えた3人は仲良くなって、自宅の庭から変なミニ気球的なものを飛ばしてめでたしめでたしです。

何なん??この何の説得力も無い唐突な展開は。
思いやりどころか中国女は傍若無人じゃん。
いちいち屋根の上に登ってほっこりしようが、金魚を見つめてにっこりしようが、その背景がクソなんじゃあ感動のかの字もありませんよ。
それとも、実は中国人をdisる映画だったんでしょうか・・・・・

次は2013年。
ここでは交換留学的なもので日本の家庭に滞在する事になった韓国人少年と、その家の同い年くらいの男の子。
堅物な韓国少年はあまり打ち解けていなかったが、そんな韓国少年が車に轢かれそうになると身を挺して守る日本少年。
しかし、そのおかげで足を怪我して大好きなサッカーができなくなってしまった事をきっかけに、日本少年は韓国少年を拒絶するようになる。
そうやって長きに渡って韓国少年との面会も拒絶していた日本少年だが、いよいよ韓国少年が帰国すると言う事で一通の手紙がしたためられる。
内容は、感謝とお詫びを綴った何の変哲もないものだったが、これを見た日本少年は突然心変わりして、帰路に着く韓国少年を追いかけて「会えてよかった」などと仲直りしてはめでたしめでたし・・・・。

何なん??最後に韓国少年を許すまでの心理描写が殆ど無いまま、それまで拗ねてたキャラが急変していい奴になっても説得力が無いよ。唐突だよ。。。。

ちなみに、この世代で治療にあたる女医が1995年の優希ちゃんが演じていた「みどりちゃん」の18年後です。
そしてこの女医と絡みが合った女の子(入院中という設定?)が次の時代に繋がっています。

2030年。何か知らんが戦争寸前だか何だかで兵隊さんらしき部隊がウロウロする空港。
さっつん(佐津川愛美)はそこに勤める空港職員です。
はい。2013年での件の女の子の17年後の姿です。
そこで祖母の病気のために母国に帰ろうとするバングラデシュ父娘。(そう、このパートは日本とバングラデシュがテーマです)
この時代は殺伐としているのか、幼い娘とぶつかっておきながら、子供相手に「どこ見て歩いてんだよ!チッ!」と悪態をつくサラリーマン。
そんなバングラデシュ人を相手になかなか流暢な英語(少なくとも「ATARU」の村上弘明よりは100倍くらい上手い)で会話するさっつん。
でも、何か仕事が自分に合ってないのか、悶々とした日々を過ごすさっつんですが、英語だけでなく福岡弁もしっかり使いこなしています。(但し、自分は福岡人では無いので、本当に合ってるのかは分からん)

そしてしばらく経って、再び日本に戻ってきたバングラデシュ父娘。
すると、軍隊の兄ちゃんが「荷物を厳重に調べる!当分返せない」と言った事でトラブルになっています。
この軍隊兄ちゃんがとにかく破天荒で、無抵抗のバングラデシュ人を相手に「おちついて下さい!連行しますよ!!」と胸ぐらを掴んで恫喝します。
(『落ち着かなきゃいけないのはオマエだろう』と思ったのは自分だけではないはず)
上司に辞表を出し、帰路についてたさっつんがそこを通りかかり、子供の荷物だけは返してあげてと懇願しますが、あえなく却下されてションボリしてると、件の上司が現れ、まだ退職が成立していないのをいい事に娘の荷物の奪回を指示します。

どうするのか?と思っていると、現れたさっつんは荷物が保管されている倉庫(何故か鍵の1つもかかっていない)から娘のだけじゃなく、父親の荷物もろとも盗み出すという荒業を繰り出します。
意外とあっさりと盗み出した荷物を、制服のまま(いつのまにかまた着替えてる)、「小林」という名札を付けたまま、ゴロゴロと転がして徒歩でバングラデシュ人の元(普通のカレー屋www)に届けてめでたしめでたし。
そんなさっつんの前に幻として再三現れていた「思いやり仮面」(人の思いやりの心を奪う悪者?)が、実は寂しい人だと分かるや、ぎゅっと抱きしめてあげると、思いやり仮面は消えて無くなります。

・・・・・

何なん!?
この「対中国」「対韓国」「対バングラデシュ」の3つの説得力の無いクソ話を繋げただけのクソ映画は。
こんなので「世界が平和に」「思いやりが大事」「人は違くていい!」って言葉を並べられても届きませんよ。

3世代に共通すると言うキーアイテムとなるのが「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」という絵本(ダンカン作)だが、別に世界の秘密も無ければ金魚が空飛ぶ必然性も無い変な絵本で、これまた全然心に響きませんでした。

繰り返し言います。
映画のテーマ自体は素晴らしいですが、「映画として」という観点からはクソ過ぎます。(特に脚本が)
そして芝居の多くは大根・棒演技で、もはや見るべき所は自分としては何一つ無かったと言えます。

優希ちゃんは、「あまちゃん」では「小野寺ちゃん」として天野アキと映画「潮騒のメモリー」主演を賭けて戦い、最後に敗れた所なんかはとても切ないいい芝居をしていたのと思うのだが、この映画では今イチ「原石の魅力」が出しきれていなかったのでは・・・・

久々に毒を吐かせてもらいました。
「そこまでボロクソに言う程悪くない」「自分は心温まったよ」「ならばお前が撮ってみろ」
そういった異論反論もあるでしょうし、この映画を褒める人が居ても、それはそれで結構な事です。
製作者としては不本意かもしれませんが、「じゃあどんな映画か見てやろうじゃないか」として、多くの方に良くも悪くも色々な評判を語ってもらう事がプラスに働く事を願っております。

◆パンフレット:販売無し

空飛ぶ金魚と世界のひみつ

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おぉ!、久々にボロクソな批評ですね。(笑)

でも、色々と物申したくなる残念な作品が世の中には沢山あるわけだから、私は全然構わないと思いますよ。(私も色々と難癖付けたい作品が沢山あります)
むしろ、こういう大荒れな批評の作品を読むのも私は楽しみにしています。

私はとりあえず、明日辺りに「ウォーム・ボディーズ」と園子温監督の新作の「地獄でなぜ悪い」を見ようと思います。どちらも予告編を見てすごく期待大だったので、楽しみにしてます。
by キネマ (2013/10/01 11:18 PM)
出来の悪い映画には2種類あります。

その出来の悪さを突っ込んで楽しめるクソ映画と、突っ込む気力も失ってひたすらムカつく駄作です。

基本、前者に行けるようにしているのですが、何年かに1回は後者のような即死地雷を踏むこともあります。

まあ、自分の中で最大限にブチ切れて扱き下ろしたのは「心中天使」ですけどね。
(当然、星はゼロでした)

しかし、ボロクソに書いても何の反論コメントも来ない映画こそがガチ駄作なんだと自分では思っています・・・・
by 管理人 (2013/10/02 8:58 PM)
>管理人さん

>その出来の悪さを突っ込んで楽しめるクソ映画と、突っ込む気力も失ってひたすらムカつく駄作で

私は前者だとトロマの作品群とかあの辺が該当するかなという印象です。
逆に後者のパターンだと私は清水崇監督の作品がそうかな。「呪怨」シリーズもその一貫性のなさと理不尽さですごくイライラしながら見ていた記憶があります。私は日本の幽霊ホラー物で結構、見てて萎えて終わってしまうパターンが多いです。「水霊/ミズチ」や「着信アリ」シリーズなんがそうですが最後で台無しのパターンに萎えてしまいます。

>ボロクソに書いても何の反論コメントも来ない映画こそがガチ駄作なんだと自分では思っています

反論コメントがこない=その作品への関心度が無いに等しいという点では、まさに見放されている状態ですから、そうかもしれませんね。
かくいう私も某映画批評サイトでコメントを書いたB級系の作品とかが、何年経っても他に書き込んだ人がいないと、自分のセンスにちょっと自信をなくしてしまいます。

本日「ウォーム・ボディーズ」と「地獄でなぜ悪い」見てきました。
前者は「死霊のえじき」や「ゾンビーノ」などゾンビと人間の共存という目線で描いた作品としては、もはや完成形に達したという印象です。「ゾンビーノ」が楽しめた人にはお勧め。
後者は園監督らしい悪乗りぶり全開の痛快アクション娯楽でした。ともかく前フリが結構長い前半を國村準、後半は長谷川博己ら映画撮影クルーの役者の演技が光ります。特に長谷川さんのイカれてしまったような演技ぶりはすごかったです。彼は普通の人よりこういうのが似合う。

長々と失礼しました。
by キネマ (2013/10/02 9:59 PM)






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