2013.07.01 Monday/01:02 |
【13-070】コンプライアンス 服従の心理 ★★★★☆ |
category: 2013年の映画レビュー | author: moeru-movie |
今週は福山人気に負けて舞台挨拶はありません。(他の映画も福山待ちだったので購入しませんでした)
なので、まったりと(?)コンプライアンス 服従の心理を鑑賞。
トラブル続きの金曜日の朝、アメリカのファストフード店店長サンドラ(アン・ダウド)は仕事でてんてこ舞いしていた。そこへダニエルズ警察官(パット・ヒーリー)と名乗る男性から電話が入り、店員のベッキー(ドリーマ・ウォーカー)に窃盗容疑が掛かっていると告げる。サンドラは彼の指示に従い、ベッキーの身体検査をすることになり……。
実際に起こった事件にインスパイアされて作られた映画との事だが、概ね実話と見ていい話のようだ。
物語は、ほぼ9割方が警察を名乗る「犯人」からの電話とそれに従う店側の対応と言う図式(描写)で構成されている。
言うなれば、テレビ放送されている「再現フィルム」みたいなテイストだ。
そしてこちらは「そんな話はねーよ」と言う事を知ってて観ている訳だが、そんな話が実際にあったと言う不思議。
その不思議な心理について、淡々とドキュメンタリータッチで綴った映画だろう。
こういう話しを聞くと、振り込め詐欺が思い出されるが、振り込め詐欺はお年寄りが相手なのに対し、こちらは普通に働いている成人である。
「ちょっと考えろよ、明らかにおかしいだろ」と思うような事でも信じてしまう心理。
これはむしろ「警察」という言葉に対して「ちゃんと対応しないと」という心理が反射的に働いてしまうが故なのだろう。
それはそれなりの地位があればあるほど強くなる。
その反面、軽い感じのバイトの男の子とか最後の運ちゃん達は、社会的に見れば未熟者、あるいは半端者なのかもしれない。
しかし、だからこそ「んなの知らねーよ」「有り得ねー」「何言ってんだ?」と相手にしない。
ある意味、警察にすら反骨心を表すアウトローな精神を持った奴の方がこの手の犯罪には強いのかもしれない。
話が進むと、服を脱がせたりするのは序の口。
店長の婚約者とか関係無い奴に、被害者のお姉ちゃんに関して「乳首の大きさはどうか」とか「剃毛してるか」といったエロ質問を浴びせさせる。
ここまで来ると、日本の企画モノAVだろうが!と思う(万引きしたのがバレた代わりに・・とかその手のやつね)けど、それに従っちゃう。
挙句の果ては、ハッキリとは描写されていないが、性行為までやらされたりと、あまりにも有り得なさ過ぎな事が行われた事に驚く。
もう一つ注目すべき描写は、スタンフォード監獄実験を題材に映画化された「es[エス]」(あるいはリメイクの「エクスペリメント」)と同様に、何らかの権限を委譲された人間が取る行動だ。
この映画では、犯人の「おしりペンペンしろ」という「命令」に従ってペンペンするが、その目つきがだんだんとマジになってイッちゃって来る所なんかは異常だ。
会社とかでも良くいるよね。何かの権限を与えられただけで人間的に上位に立ったと思い込んで急に態度が変わる人とか。
何かの後ろ盾がある(そう思わされる)というだけで人間ってコロっと態度を変える心理の典型的な描写だわ。
そんなこんなで、「映画」として見ると、意図的な盛り上げとかそういったものは無く、最後は呆気なく1本の確認電話をきっかけに嘘がバレ、どうやら犯人も特定された描写も映し出される。
そして被害者のお姉ちゃんがファーストフード店を訴えたという事をサラっと流して静かに映画は終わる。
「自分が店長なら」「自分が被害者女性なら」といった形で色々と考えさせられる1本ではありますな。
それにしてもあの犯人。
いったい何がしたくてあんな事をしたんだ?愉快犯?暇潰し?理解できねーな・・・・・
◆パンフレット:A5判・16頁・500円
よろしければポチっと投票お願いします。⇒
なので、まったりと(?)コンプライアンス 服従の心理を鑑賞。
トラブル続きの金曜日の朝、アメリカのファストフード店店長サンドラ(アン・ダウド)は仕事でてんてこ舞いしていた。そこへダニエルズ警察官(パット・ヒーリー)と名乗る男性から電話が入り、店員のベッキー(ドリーマ・ウォーカー)に窃盗容疑が掛かっていると告げる。サンドラは彼の指示に従い、ベッキーの身体検査をすることになり……。
実際に起こった事件にインスパイアされて作られた映画との事だが、概ね実話と見ていい話のようだ。
物語は、ほぼ9割方が警察を名乗る「犯人」からの電話とそれに従う店側の対応と言う図式(描写)で構成されている。
言うなれば、テレビ放送されている「再現フィルム」みたいなテイストだ。
そしてこちらは「そんな話はねーよ」と言う事を知ってて観ている訳だが、そんな話が実際にあったと言う不思議。
その不思議な心理について、淡々とドキュメンタリータッチで綴った映画だろう。
こういう話しを聞くと、振り込め詐欺が思い出されるが、振り込め詐欺はお年寄りが相手なのに対し、こちらは普通に働いている成人である。
「ちょっと考えろよ、明らかにおかしいだろ」と思うような事でも信じてしまう心理。
これはむしろ「警察」という言葉に対して「ちゃんと対応しないと」という心理が反射的に働いてしまうが故なのだろう。
それはそれなりの地位があればあるほど強くなる。
その反面、軽い感じのバイトの男の子とか最後の運ちゃん達は、社会的に見れば未熟者、あるいは半端者なのかもしれない。
しかし、だからこそ「んなの知らねーよ」「有り得ねー」「何言ってんだ?」と相手にしない。
ある意味、警察にすら反骨心を表すアウトローな精神を持った奴の方がこの手の犯罪には強いのかもしれない。
話が進むと、服を脱がせたりするのは序の口。
店長の婚約者とか関係無い奴に、被害者のお姉ちゃんに関して「乳首の大きさはどうか」とか「剃毛してるか」といったエロ質問を浴びせさせる。
ここまで来ると、日本の企画モノAVだろうが!と思う(万引きしたのがバレた代わりに・・とかその手のやつね)けど、それに従っちゃう。
挙句の果ては、ハッキリとは描写されていないが、性行為までやらされたりと、あまりにも有り得なさ過ぎな事が行われた事に驚く。
もう一つ注目すべき描写は、スタンフォード監獄実験を題材に映画化された「es[エス]」(あるいはリメイクの「エクスペリメント」)と同様に、何らかの権限を委譲された人間が取る行動だ。
この映画では、犯人の「おしりペンペンしろ」という「命令」に従ってペンペンするが、その目つきがだんだんとマジになってイッちゃって来る所なんかは異常だ。
会社とかでも良くいるよね。何かの権限を与えられただけで人間的に上位に立ったと思い込んで急に態度が変わる人とか。
何かの後ろ盾がある(そう思わされる)というだけで人間ってコロっと態度を変える心理の典型的な描写だわ。
そんなこんなで、「映画」として見ると、意図的な盛り上げとかそういったものは無く、最後は呆気なく1本の確認電話をきっかけに嘘がバレ、どうやら犯人も特定された描写も映し出される。
そして被害者のお姉ちゃんがファーストフード店を訴えたという事をサラっと流して静かに映画は終わる。
「自分が店長なら」「自分が被害者女性なら」といった形で色々と考えさせられる1本ではありますな。
それにしてもあの犯人。
いったい何がしたくてあんな事をしたんだ?愉快犯?暇潰し?理解できねーな・・・・・
◆パンフレット:A5判・16頁・500円
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