2013.06.17 Monday/22:55 |
【13-065】遠くでずっとそばにいる ★★★☆☆ |
category: 2013年の映画レビュー | author: moeru-movie |
地味でひっそりと初日を迎えた遠くでずっとそばにいるを早速鑑賞。
交通事故の後遺症によって、10年分の記憶を失った志村朔美(倉科)。実年齢は27歳でも、17歳までの記憶しかない朔美は、自分を取り巻く変化に困惑しながらも現状を受け入れ生活していたが、空白の10年間の出来事が気になって仕方がない。付き合っているらしい男(中野)や高校時代の同級生(伽奈)らの助けを借りて、喪失した記憶をたどろうとする朔美だったが……。
記憶喪失と言う題材は、この映画に限らず何本もの映画でも使われてきた。
だが、この映画のように「直近10年間」の記憶だけが抜けていると言うのは、実際にそういう事が起こり得るのかどうかは別として、映画(又はドラマ)としては面白い。
しかも、肉体年齢27歳で精神年齢が17歳となると、多感な時期の女の子にとってはエラい事だ。
考えても見ると、このシチュエーションは非常に気持ち悪い。
よく「10年後の自分はどうなっているんだろう」なんて言うけど、それを知らないのは自分だけで、周りの人間は27歳の自分と17歳から27歳までを生きてきた過程もある程度分かっているのである。
これが倉科カナ主演のちょっとエッチなコメディなら、「うほっ!気が付いたらおっぱいぼよんぼよん!」となる所だが、そんなお気楽なお話ではありません。
物語は、少しずつではあるけど、記憶を失う前の自分がどうだったかを辿る「自分探し」みたいな展開になっている。
もちろん「実はスパイでした」というはずもなく、明らかになるのは「どうやら自分は嫌な奴だったのでは?」という穏やかではない話だ。何たって自分が死ねばいいと思っている女まで登場するのだから。
そして記憶を失う原因となった事故が2度目だった事や、1度目の事故が何であったか、ギブスをした左手に隠された真実、そして2度目の事故の目撃者によって語られる事故の真実。
こりゃあキツいわ。生きているなら知らない方がいいし、これを知ったら生きて行くのが辛くなる。でも自分は生きないといけない。
特に派手な謎解きがある訳でも無く、劇的な演出も無い。
全編通して静かな雰囲気で(おかげで何人かの大いびきが聞こえる始末だったが)何となく陰気臭い。
これがこの監督のタッチ(「天国はまだ遠く」も決して陽気ではなかった)だと思っていいのでしょうか・・・・。
この演出は、これはこれで成立しているとは思うけど、両親など身近な人との関わりが少なかったのはちょっと不自然だったかも。(再婚しているという設定もちょっと活かしきれていない)
さてキャストは、まずは倉科カナ。
体は27歳だけど心は17歳という事で、子供っぽくする演技が多用されたが、まあギリギリ17と思えるかなと言う芝居でした。
上で書いた「おっぱいぼよんぼよん」はふざけ過ぎとしても、やはりこの年代だと空白の10年の間にアッチの方はどうなったのは絶対に気になる所。
ましてや17の頃は処女だった自分が27になって、実際に彼氏らしき人も居て・・・という状況で「ねえ、私って初めてだった?」と今カレに聞くシーンは生々しくて上手かったです。
そしてもう一人の大注目は、聴覚障害者の義妹を演じた清水くるみちゃん。
倉科カナを温かく抱きしめる聖母のようなシーンは感動ポイントです。
金曜に観た「絶叫学級」の山本美月、松岡茉優に続いて「桐島、部活やめるってよ」出演者が出世している姿を見るようで感慨深いです。
あ、ほんの端役だけど、同級生で3人目を妊娠中の友人を演じたのが我が推し女優の朝倉えりかちゃん。
眼鏡萌えな感じよりも、「もうお母さんの役をやる歳なのかぁ・・・(遠い目)」と複雑な気持ちになりました。
⇒子役の頃を知ってるだけに・・という事です。
冒頭でも書いた通り、この映画の存在を知っている人が極端に少ない地味な映画ですが、秋田の長閑な景色と、ゆっくりとした癒され系の話をお好みの方はぜひ劇場へ。
※ちょっと地味すぎて自分の点は辛いけどね・・・・
◆パンフレット:A4判・20頁・600円
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交通事故の後遺症によって、10年分の記憶を失った志村朔美(倉科)。実年齢は27歳でも、17歳までの記憶しかない朔美は、自分を取り巻く変化に困惑しながらも現状を受け入れ生活していたが、空白の10年間の出来事が気になって仕方がない。付き合っているらしい男(中野)や高校時代の同級生(伽奈)らの助けを借りて、喪失した記憶をたどろうとする朔美だったが……。
記憶喪失と言う題材は、この映画に限らず何本もの映画でも使われてきた。
だが、この映画のように「直近10年間」の記憶だけが抜けていると言うのは、実際にそういう事が起こり得るのかどうかは別として、映画(又はドラマ)としては面白い。
しかも、肉体年齢27歳で精神年齢が17歳となると、多感な時期の女の子にとってはエラい事だ。
考えても見ると、このシチュエーションは非常に気持ち悪い。
よく「10年後の自分はどうなっているんだろう」なんて言うけど、それを知らないのは自分だけで、周りの人間は27歳の自分と17歳から27歳までを生きてきた過程もある程度分かっているのである。
これが倉科カナ主演のちょっとエッチなコメディなら、「うほっ!気が付いたらおっぱいぼよんぼよん!」となる所だが、そんなお気楽なお話ではありません。
物語は、少しずつではあるけど、記憶を失う前の自分がどうだったかを辿る「自分探し」みたいな展開になっている。
もちろん「実はスパイでした」というはずもなく、明らかになるのは「どうやら自分は嫌な奴だったのでは?」という穏やかではない話だ。何たって自分が死ねばいいと思っている女まで登場するのだから。
そして記憶を失う原因となった事故が2度目だった事や、1度目の事故が何であったか、ギブスをした左手に隠された真実、そして2度目の事故の目撃者によって語られる事故の真実。
こりゃあキツいわ。生きているなら知らない方がいいし、これを知ったら生きて行くのが辛くなる。でも自分は生きないといけない。
特に派手な謎解きがある訳でも無く、劇的な演出も無い。
全編通して静かな雰囲気で(おかげで何人かの大いびきが聞こえる始末だったが)何となく陰気臭い。
これがこの監督のタッチ(「天国はまだ遠く」も決して陽気ではなかった)だと思っていいのでしょうか・・・・。
この演出は、これはこれで成立しているとは思うけど、両親など身近な人との関わりが少なかったのはちょっと不自然だったかも。(再婚しているという設定もちょっと活かしきれていない)
さてキャストは、まずは倉科カナ。
体は27歳だけど心は17歳という事で、子供っぽくする演技が多用されたが、まあギリギリ17と思えるかなと言う芝居でした。
上で書いた「おっぱいぼよんぼよん」はふざけ過ぎとしても、やはりこの年代だと空白の10年の間にアッチの方はどうなったのは絶対に気になる所。
ましてや17の頃は処女だった自分が27になって、実際に彼氏らしき人も居て・・・という状況で「ねえ、私って初めてだった?」と今カレに聞くシーンは生々しくて上手かったです。
そしてもう一人の大注目は、聴覚障害者の義妹を演じた清水くるみちゃん。
倉科カナを温かく抱きしめる聖母のようなシーンは感動ポイントです。
金曜に観た「絶叫学級」の山本美月、松岡茉優に続いて「桐島、部活やめるってよ」出演者が出世している姿を見るようで感慨深いです。
あ、ほんの端役だけど、同級生で3人目を妊娠中の友人を演じたのが我が推し女優の朝倉えりかちゃん。
眼鏡萌えな感じよりも、「もうお母さんの役をやる歳なのかぁ・・・(遠い目)」と複雑な気持ちになりました。
⇒子役の頃を知ってるだけに・・という事です。
冒頭でも書いた通り、この映画の存在を知っている人が極端に少ない地味な映画ですが、秋田の長閑な景色と、ゆっくりとした癒され系の話をお好みの方はぜひ劇場へ。
※ちょっと地味すぎて自分の点は辛いけどね・・・・
◆パンフレット:A4判・20頁・600円
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