映画感想を中心とした管理人の戯言です。
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【13-005】東京家族 ★★★★★
category: 2013年の映画レビュー | author: moeru-movie
公開初日の東京家族を早速鑑賞。

瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉(橋爪)ととみこ(吉行)。東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一(西村)、美容院を営む長女・滋子(中嶋)、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次(妻夫木)との再会を果たす。
しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに宿泊させようとする。そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。
一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、そこで恋人の間宮紀子(蒼井)を紹介される。


小津「東京物語」は遥か大昔に一度観たっきりで既に記憶に無く、この作品も「山田洋次だし、また『いい家族』のベタ話でしょ」と高をくくっていました。
結果、確かにベタと言えばベタだったけど、「ちぇっ。結局ベタか」とはならず、自分の意図しない所で勝手に涙が出てくる始末。
いったい何なんだ?このベタドラマの何がそんなに泣けたんだ?と考えさせられる1本でした。

ベタと書きましたが、映画全体としては、いわゆる「映画的ドラマ」という事は無く、むしろどこにでもあるような家族の話なんですよ。
久しぶりに上京し息子・娘たちの家を回る老父母だけど、決して「どの家に行ってもアットホームでほのぼの」って訳じゃ無く、それぞれの生活を持っている家族故に、懐かしがり、歓迎しつつもどこか若干の迷惑さというか、親子それぞれが若干の居心地の悪さを覚えている感じが伺え、楽しそうに装う外見とは裏腹にどこか満たされない心情も伺える。

そんな不安定な心理を持ちながら、一番の心配の種だった末っ子から、しっかりとした可愛い彼女を紹介された時の母親の嬉しそうな顔。
やっぱり親っていうのは、幾つになっても子供の事が心配だし、そんな心配の種でも好いてくれる人が居ればそりゃあ嬉しいわな。
それでも、「何かの時に」とお金を渡しちゃう所なんか、いかにも「幾つになっても人の親」「誰かの役に立つ事で自分の存在意義を感じたい」という気持ちが察せられる。
そんな幸せな時を過ごし、今までに無く生き生きとした表情を浮かべていた母親の突然の死。
ある意味、一番幸せを感じていた時に何の苦痛も無くポックリ逝くっていうのも、素晴らしい終末なのかもしれない。
せめて最後に少しでも意識を取り戻して欲しいという思いもあるが、あれで良かったのかなぁ。

でね、何でこんなに感情移入できたかって、自分の両親も70代で健在な訳ですよ。
そりゃあピンピンとしてて、頭もハッキリしてるんです。
でも、歳が歳だからさ、いつ「その時」が来るかと思う訳なんですよ。
母ちゃんが先に死ねば、この映画と同じように「親父一人でどう暮らしていくのか?」っていうのも現実問題としてある訳です。
うん。色々考えさせられました。
オリジナルの「東京物語」も猛烈に再見したくなったよ。

さて、キャストですが、多少台詞回しが現実離れしていると思う所もありましたが、概ね「上手い!」と言えるレベルです。
特に自分の目を引いたのが中島朋子かな。
あと、夏川結衣が「嫁」として義理の兄弟/親子と接する時の何とも言えない「微妙な他人感」も良かった。
あえて突っ込むと「蒼井優はいい娘過ぎる!」と言う事。

上映時間が2時間半弱と長めなんだけど、それを感じさせなかった事と、思わず泣けてしまった点を素直に評価し、2013年初の5つ星を進呈します。

◆パンフレット:A4判・60頁・800円

東京家族

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