映画感想を中心とした管理人の戯言です。
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【118】ブタがいた教室(ネタバレあり) ★★★★☆
category: 2008年映画レビュー | author: moeru-movie
ブタがいた教室
「妻夫木聡×26人の子供たち」とサブタイトルが付いているが、原案は「豚のPちゃんと32人の小学生」で、実際に1990年〜92年にかけて大阪の小学校で実際にあった事だ。
その模様がテレビでドキュメンタリーとして放送され、大変な波紋を呼んだものだ。

新任教師の星(妻夫木)は受け持ったクラスの子たちの前に子ブタを抱いて現われ、「このブタを育てて最後に食べよう」と言う。とりあえず学校で飼う事にしたが、「Pちゃん」と名づけられながら大きくなっていくブタ。そして卒業間近になり、ブタをどうするかが話し合われる。「下級生に引き継ぐ」「食肉センターに持っていく」と真っ二つに割れる意見。子供たちと星先生が出した結論は!?

こういう映画は、「コドモのコドモ」と同じく、映画の出来云々のレビュー以前に、テーマの是非によるレビューにすり替わってしまう傾向がある。
「コドモ」は小学生の出産と言う非常識なテーマ(また、それをファンタジーと呼んでしまった事)が非難の的となり、この作品は子供に対する教育としてふさわしかったのか否かが映画の点数に直結している感じだ。
まあテーマに共感できるかどうかは映画の点数に大きく関わるのは避けられない事なんだろうねぇ。

自分としては、テーマはさておき、この映画は非常に「ずるい」と感じましたよ。
演じる子供向けの台本は、台詞部分は空白で、結末も明かされなかったそうな。
そうなると、子供たちのディベードのシーンはほぼ全て子供たちのアドリブ(というか素の議論)となり、本物では無いまでも、現実に体験した小学生とほぼ同じシチュエーションを体験させてそれを撮ったセミドキュメンタリーと呼べる内容になってしまっている。
それを見て芝居だ何だと点数を付けるのは非常に難しいよね。

冒頭にも書いたが、この現実の出来事はドキュメンタリーとして放送され、自分も映画を見た後に見てみた。
当然だが、映画と現実とはほぼ同じ展開であった。
2年以上に渡ってPちゃんを飼育した子供たち。最初は「下級生に引き継ぐ」が圧倒的だった意見も、最終的には16対16で「引き継ぐ」「食肉センター送り」の真っ二つに割れた事(映画では26人なので13対13だった)、最終的に先生の1票で決定する事、その最後の決断をPちゃんの前で発表する事、その先生の決断が「食肉センター送り」である事、最後に搬送されるPちゃんを生徒たちは泣きながら追いかける事。。。。
映画としては非常に興味深く、生徒たちの素の芝居とも言えない芝居にも涙が出たし満足しましたよ。
だが、自分としては、このPちゃん飼育の件を通じて何が子供たちに残ったのか、何が変わったのかという事を明確に示して欲しかったんだなぁ。

つまり、元々はブタを飼うというのは「手段」であって、そこには別の「目的」があったはずなのだ。
それは「食の大切さを学ぶ」「人間は他の命を食する事で生きながらえる」といったいわゆる「食育」であり、また子供たち同士で思っている事を討論する事により集団生活を学ぶ事だったりするはずだ。
が、映画は最終的に「Pちゃんとの別れ」で終わってしまっているのだ。
例えば、食卓に上がる肉料理に「いただきます」と手を合わせるシーンを1つ入れるだけでもいいし、食べ物を残さずに大事にする描写でもいい。
何かそういうメッセージを露骨にならない程度に挟んでほしかったかな。
(それじゃあ教育映画になっちゃうかな。。。。)

ちなみに、現実の授業については、自分は否定派である。
食育はいいが、豚はいかん。
家畜がペット化され、情が移る事は目に見えているし、それを食べる云々というのは小学生にはハードルが高い。
せめてニワトリくらいにするべきというのが自分の考え。
そして、自分で議題を提起しておきながら子供たちに下駄を預けてしまう先生の立ち位置も少々納得がいかない(というか、もっと一緒に責任を持とうよ!)

映画のほうに話を戻そう。
先述の通り、見所は子供たちのディベードシーンだが、素の子供と言ってもそこは子役とは言え少々役者魂が出ているため、かなり大人びた意見も飛び交っている。
「下級生に引き継ぐのは責任を先送りにしているだけ」「もし下級生がPちゃんを殺したら、彼らを恨む事になる」といった頷ける意見も多く、本当にこうやって自分の意見をしっかりと述べる事ができる子たちなら日本の未来も明るいよね。
(但し、今この授業をやったらモンスター・ペアレントが黙っちゃいないか!?)

子供たちは本当に良く演じてたけど、泣きながら討論する子供たちを前に涙を流さずに見守っていた妻夫木クンも印象的でした。
(さすがにPちゃんの前での決断シーンでは妻夫木くんも素で涙声になってたが)

場内は小学生くらいの子供を連れたお父さんやお母さんも多数いました。
親子揃って涙を流している所もたくさんありました。
内容の是非を含めて、親子で「食」について考えるきっかけになる1本かなと思いましたよ。

最後に、あの「コドモのコドモ」で小学生母になった甘利はるなチャンがこの映画にも出てましたね。
子供ながら問題作に縁がありますね。
そしてビックリしたのが田畑智子。アナタがまるでPちゃんのように・・・バッドショックびっくり豚・・・いかんいかん。それは禁句か。。。

ブタがいた教室

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食について考えるってのが如何にも人間らしくていいですね。
それよりも頂きますの意味の深さを考えてほしいものです。
by 畑のメシア (2012/05/05 9:38 PM)






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