映画感想を中心とした管理人の戯言です。
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【19-027】THE GUILTY/ギルティ ★★★★☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
予告が面白そうだったTHE GUILTY/ギルティを鑑賞してみた。

警察官のアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)はある事件を機に現場を離れ、緊急通報司令室のオペレーターとして勤務していた。
交通事故の緊急搬送手配などをこなす毎日を送っていたある日、誘拐されている最中の女性から通報を受ける。


昨今の映画はマンネリを避ける為か、様々な手法を繰り出している。
PCの中だけで描かれるとか、ひたすら長回しとか。
この映画は、言ってみれば「密室劇」であり、「1人芝居」でもある。
と言っても本当に1人かと言うとそうではなく、主人公の司令室オペレータには「電話の向こうの相手」が居る。
そう。この映画のほとんどは「電話の会話劇」なのです。

そのオペレータは、緊急通報を受けて応対するのが仕事なので、電話の内容は多かれ少なかれ人の生死とか事件性とかが感じられるのが多いのは頷けるが、まさにこの映画は「誘拐された女自ら電話をかけてきた」と思わせるシチュエーションです。

まあ、先に言っちゃyと、「誘拐された女を救出しようとする素敵なオペレータおじさんの話」かと思ったら大間違いなんです。
いったい電話をかけてきた女になにがあったのか、彼女の家族はどうしているのか等が徐々に明らかになっていくのが面白い所ではあります。
それだけじゃあ話に広がりが無いと言う事で、当のオペレータ自身にもなにやら訳アリな事があって・・・みたいな面もありますが、個人的には「中の上」くらいでそこそこ楽しめました。

前述の「電話の女は何者?」については、序盤はどうみても「誘拐された女」としか思えないんですよ。
で、後で「何か違う?」みたいな事になるのですが、もうちょっとヒントというか手がかりみたいのを撒いておくと終盤スッキリ感が増したと思います。
そして終始描かれる電話応対シーンも、さすがにここまで続くとちょっと一本調子に思えてきちゃいました。
電話の向こうの声の主の芝居は顔が見えなくて声のみで表現しなければならないので大変ですが、そこはちゃんと伝わってたのは救いです。

ラストもちょっと意味深な感じもしますが、尺も短めでサクッと楽しめるので自宅鑑賞向きかな。
電話と言うと「セルラー」「フォーン・ブース」とかがあるけど、そういうのと比べてみるのも面白いかも・・・

◆パンフレット:700円

THE GUILTY/ギルティ

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【19-026】未来のあたし 〜豊島圭介ショートフィルム映画祭〜 ★★★★☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
欅坂46織田奈那出演の短編見たさに豊島圭介ショートフィルム映画祭に行ってきた。

■「未来のあたし」
真理、46歳(桜井)。仕事があり夫も子供もいる。
怒涛のように忙しい日々に追われている彼女は、ある日ひょんなことから30年近く前にタイムスリップし高校生だった自分(織田)と出会ってしまう。
しかもその日は、彼女の人生最悪の日だった。
■「すけ坊」
泰介(Micro)は、スーパーで亡き父の後を継ぎ、実演販売の仕事をしていた。
そこに昔の泰介の仕事仲間、父を知るおばさん、ついには元彼女までも現れる。
さらに元彼女は子連れで、その子供は泰介の子供だというが。一体泰介にはどんな過去があるのか…?
■「あさのはなし」
何気ない日常の朝の時間。普通の家族の朝食、支度に追われてバタバタしている父、母、娘。
その中になぜかぎこちない夫婦の会話、父娘の妙な空気感がただよい、この家族が抱えているものは何なのか?


まずは「未来のあたし」。
話としては「急にタイムスリップして過去(未来)の自分に出会う」というありがちなものだ。
その出会った日がたまたま「男の子に告白したけどフラれる」という日なのだが、それはあくまでも「設定」であり、この短編からは「何気ない日常の幸せ」を感じる事が出来ます。
朝からばたばたして、家事や仕事、旦那や子供に振り回されるシーンから始まるが、劇中のマリ(織田)から「将来結婚は出来るか?子供は出来るか?幸せになれるか」の問いに対して少し時間を置いてから発せられた真理の答えにはホッとしました。
肝心のオダナナですが、田舎にいるちょっと可愛いけどちょっと地味で、ちょっとポンコツで・・っていう「どこにでも居そう」感が良く出てました。
特に芝居が上手いとは思いませんでしたが、この映画のイメージにはぴったりと合ってて良かったです。

次の「すけ坊」。
元噺家という設定の事もあり、後半はずっと「自分語り」に終始しますが、けっこう聞き入っちゃってしまいました。
この短編も「過去の自分と向き合い、未来の自分をポジティブに考える」という意図が感じられ、こちらも心が温かくなります。
「包丁切れなさすぎ」とか「店内でスケボーはいかん」とか「大村彩子が美人だな」とか、本線以外でも気になる所が色々あるので、時間の割には楽しめます。

最期の「あさのはなし」
中盤、旦那の分の朝食後片付けシーンでご飯と味噌汁がそのままだったシーンだけでオチはすぐに分かるんだけど、この映画も不幸な出来事をしっかり踏まえながらも前を向いて生きて行こうと言うポジティブなメッセージが感じられる。
この短編は、とにかく子役の花田優里音ちゃんにやられます。
父親役が秋山成勲と言うのは意外ですが、19分間ノーカットの長回しという難しい芝居をよくこなしていたと思います。

と言う事で短編3本でトータル約1時間というものでしたが、どの話も心温まる感じのポジティブストーリーで良かったです。
織田目当てで観たけど、個人的には「あさのはなし」の長回しが一番印象に残ったかな。

実はこの映画祭、2018年末に浜松で上映されているが、もう織田の映画を東京では観られないだろうと思ったので、本気で浜松まで観に行く事を考えていた程でした(結局、新幹線代惜しさに断念)
今回、ユーロスペースで上映してくれて感謝です!

◆パンフレット:販売無し

未来のあたし

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【19-025】血まみれスケバンチェーンソーRED 後編 ギーコの覚醒 ★★★☆☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
土曜日に前編だけ観て帰ってきてしまったので、翌日また交通費をかけて血まみれスケバンチェーンソーRED 後編 ギーコの覚醒を観に行きましたよ。

自ら作った改造死体を使って同級生の鋸村ギーコ(浅川)を追い詰める碧井ネロ(あの)には、彼女を執拗に襲う理由があった。
さらに、うぐいす学園新生徒会ガーディアンズの総長ネメシス(護)がギーコの前に立ちはだかる。


前編ではネロとの戦い中心でしたが、後編はネメシスとの対決・・・と思いつつ、地下アイドルのメロンちゃんとの前哨戦があったり、ギーコ側に喧嘩がめっちゃ強いナグルシファーが加わったりとストーリー展開に変化は持たせています。
そして肝心のネメシスとの対決は意外な形でアッサリと終わってしまい、「何じゃそりゃ」と思っていると、まさかのネロ再登場。
この後編は前編以上に血しぶきの「4DX水効果」が激しい上に、ネロとの再戦は雨の中で行われるとあって水量も増えてるみたいですが、前編同様に早々に「水OFF」にしていた自分は落ち着いて観ていました。
(その代りアトラクション感は失われ、ただのコスパ悪映画になってるような・・)

まあ相手は変われど、やってる事はあまり前編と変わりがない展開である上に、今回のクライマックスはチェーンソーの仕掛けに頼ってしまった部分もあり(それはそれで面白いんだけど、ギーコより目立ってどうするという思いもある)、前編ほどの高揚感は得られなかった印象です。

この1週後にはまたヒット御礼舞台挨拶が行われるという事で「それなら1週ずらして舞台挨拶付きを観ればよかった」と思いますが、こればっかりはタイミングなので仕方ない。
それにしても、1時間未満の映画に約3000円(auシネマ割使って少し安くなったけど)ってのはコスパ面では非常に厳しいですね。
せめて前後編分けは勘弁してほしかったです・・・

◆パンフレット:1000円(前編込)

血まみれスケバンチェーンソーRED 後編

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【19-024】血まみれスケバンチェーンソーRED 前編 ネロの復讐 ★★★★☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
お台場でしか上映が無く、且つ4DXで割高に加えて舞台挨拶付きで異常に料金が高くなった血まみれスケバンチェーンソーRED 前編 ネロの復讐を鑑賞。

うぐいす学園の学生・鋸村ギーコ(浅川)は、セーラー服に下駄を履き、チェーンソーを持ち歩いていた。
ある日、同級生のマッドサイエンティスト、碧井ネロ(あの)が作り出した改造死体たちの襲撃を受ける。
ギーコは襲い掛かる改造死体たちを倒し、ネロのアジトに乗り込む。


ほぼ3年前、内田理央主演で公開された血まみれスケバンチェーンソーが同じ監督の手によってリメイクされました。
もうタイトルからしてB級ぶっとび下らな系切株映画という事は分かりますが、だーりお版もそうだったように、変に生々しくてリアリティがあるよりも、これくらいのスプラッタークオリティの方がかえって見やすいかもしれません。

で、今回は前後編に分かれており、この前編は52分です。
ちなみに後編は54分なので、まとめて1本でもいいような気がしますが、まったく商魂逞しいと言うか・・・。

そんな短尺な事もあり、登場人物も主要な人は絞られており、話もかなりシンプルです。
ねんでネロがギーコを襲うのかの理由は「何じゃそりゃ」なんですが、まあ動機はどうでもいいです。
「ギーコ対改造死体」を経て「ギーコ対ネロ」という流れで冒頭からチェーンソー振り回して切株の山を築きます。
そんな残酷っぽい描写(自分的にはあくまでも「っぽい」というクオリティです)の合間には、浅川梨奈の銭湯での全裸バトル(もちろん肝心な所は全く見えません。横乳や谷間すら見えねぇ!!)や、ステルス機能を失った改造死体女が全裸(毛まで出してますww)で登場するという「どうせR15+なんだからこれも入れちゃえ」的なノリが感じられます。

そんな映画が何故か4DXなんですが、効果の大半は「血しぶきシーンと同時に噴射される水」で、けっこうキツいです。
ハッキリ言って自分は早々に「水OFF」にしましたよ。
そんな映画は最後のネロとの戦いに終止符を打つとあっという間に終わります。さすが1時間未満www。

という事で、予想通りのクオリティとツッコまずにはいられないストーリー展開、そして白ふんどしのお尻をちゃんと見せてる所をはじめとして、だーりお版とはまた違った感じのギーコが良かった浅川梨奈を評価して4点です。
おっと、本編では微妙に笑いのネタにされていたマキシマムザホルモンのエンディング曲も良かったですよ。

ま、4DXという事もあり、アトラクション的に楽しむのが良いのではないでしょうか。

◆パンフレット:1000円(後編込)

血まみれスケバンチェーンソーRED 前編
※個人的にかなり評価が高いデザインの素晴らしいチラシです。

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【19-023】七つの会議 ★★★★★
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
観ようか迷ってたけど、時間があったので七つの会議を観てみた。

都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村)。
最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという姿勢をトップセールスマンの課長・坂戸宣彦(片岡)から責められるが、意に介することなく気ままに過ごしていた。
営業部長・北川誠(香川)による厳格な結果主義のもとで部員たちが疲弊する中、突如として八角がパワハラで坂戸を訴え、彼に異動処分が下される。
そして常に2番手だった原島万二(及川)が新課長に着任する。


「池井戸潤原作」と言うと、世間的には「半沢直樹」とか「下町ロケット」とか「ルーズヴェルト・ゲーム」とかが思い浮かぶのかもしれないけど、自分はこれらのドラマは一切見ておらず(そもそもTVドラマはほぼ観てないのよ)、昨年観た映画「空飛ぶタイヤ」が初めてだったのです。
そしてその「空飛ぶタイヤ」がかなり面白く(星5つでした)、今回も期待十分でした。

話は「空飛ぶタイヤ」同様に、企業の不正が絡んだ社会派ドラマと言えますが、いやいや、今回もとても面白かったです。
一言で言えば「リコール隠し」がテーマであり、そういう意味では「空飛ぶタイヤ」と同路線なんだけど、今回は同じ企業内における「隠す側VS暴く側」という構図が面白いです。
「っつっても、結局香川照之が悪いキャラだよね」と思うんだけど、実際のお話はそれを踏み台にして更に斜め上を行ってしまいます。

まあ、リアルな事を考えると、もし今回のような「ネジ1つ」の不良があった場合、本当にリコールを宣言して、飛行機や電車を使用停止にして時間をかけて取り換えるのが最善なのかと言われると疑問に思う所もあるんですよ。
そこまでしたら、日本の経済やら流通やらが止まってしまう。
とは言え、放っておいたらいつ大事故になるかもしれない。
でも、それが今日明日すぐに起こるとも言い切れない。
そういう状況なら、あえて公表して混乱させるよりも、秘密裏に直すというのはまだ納得できちゃう部分もあるんですよ。
もちろん「隠して知らん顔して全く直さない」は良くない。
でも、この映画は闇改修みたいにしようとしてたんでしょ?それならまだ救いはあります。

というような自分の考えがそもそも「リコール隠し」を行うダメ人間の心理とも言えるとは思いますが、果たしてこの映画のような結末を迎えた日本は、あの後どうなっていたかも気になります。

今回の映画では、やはり独特なキャラを持った役者の芝居でも楽しめます。
やっぱり前述の香川照之は、現在では考えられないようなパワハラ(まあ会社全体がハラスメントの塊のような泥沼だけどね)と、もはや「顔芸」としか思えない表情の芝居は笑ってしまうほどです。
野村萬斎も、いかにもダメ&グータラ社員に見えても、どこか腹黒い所がよく表現されていました。
そしてこの映画を先導するようなポジションなのが及川光博&朝倉あきです。
まあ正直言って一介の社員があそこまで順調に事件の裏に迫れるのも出来過ぎなんですが、まあそこはフィクションのドラマと言う事で寛大に観ましたよ。
その他も適材適所で豪華な役者さん総出演でしたが、最後の最後にあの大物男優登場とはビックリです(事前知識なく知らなかったのです)

という事で、「分かりやすい話がテンポよく進み、スッキリ終わる」という所が気持ち良かった事もあり、「空飛ぶタイヤ」に続いて池井戸作品星5つです。
また池井戸原作が映画化されたらぜひ観に行きたいと思います。

◆パンフレット:720円

七つの会議

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【19-022】十二人の死にたい子どもたち ★★☆☆☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
今回はフラっと十二人の死にたい子どもたちを観てみた。

それぞれの理由で安楽死を望み、廃病院の密室に集まった12人の少年少女は、そこで死体を見つける。
死体が何者で自殺なのか他殺なのか、集まった12人の中に殺人犯がいるのか。やがて、12人の死にたい理由が明らかになっていく。


ん〜、結論から言うと、予想に反して楽しめませんでした。というか眠いったらありゃしない・・・。
もともとこういう密室劇は好きなんですよ。このタイトルの元になった「十二人の怒れる男」も好きだしね。
でも、何が楽しめなかったかって、登場人物の子たちが何考えてるのか、どの方向に進もうとしているのかが掴みづらくて集中できなかったのですよ。
そもそもこの子たちは本当に「死にたい」と思ってねーだろと最初に感じてしまった時点で色々と懐疑的になった事も一因です。

役者たちはそれなりにキャラも立ってるし熱演もしている。
だけど、芝居は完全に舞台劇調なので何かと台詞説明が多いし、かと言って「人狼ゲーム」的な心理ゲームとまでは行って無い。
「あー、こいつら全員死なねーな」とは早々に思ったけど、この映画はそこに向けての伏線遊びみたいな所が注目ポイントなのかしら?
でも、結局「死にたい」という動機で集まったはずなのに、その「死にたい」原因は何も解決しないまま終わっちゃうのは、それまでの展開が急に茶番に見えてしまい白けました。
エンドロールの謎解きもちょっと流れるの早すぎ(自分の頭の回転が悪いだけかも)

そんなわけで、この映画のレビューを見ると「真剣佑がコナンじゃん」というのが散見される。
確かに!と感心するが、それなら最初からコナン君と思って観れば面白くなったかも。。などとどうでも良いことを考えてしまう始末です。

内容はそこまでとして、前述の通りキャストは個性的で見所はあります。
すっかり良い女優さんになった杉咲花ちゃんや真剣佑くん、高杉くん、北村くんは安定感ある。
逆に橋本環奈や黒島結菜は、ちょっと生かし切れていないというか「あれ?こんなもんなの?」と拍子抜けしてしまいます。
そんな中、自分が感慨深く見て楽しんだのが金髪ギャルの吉川愛です。
いや、自分の中では「吉田里琴」という旧芸名の方が印象が強いんですが、子役の頃からその演技力には定評があった里琴ちゃんが金髪のギャルに・・・ってだけでインパクト十分。
もうこの「11番のマイちゃん」だけでスピンオフ作って欲しいくらいですよ。(橋本環奈スピンオフもいいな)

脱線しましたが、ちょっと評価が分かれるんじゃないかと思うこの作品。
ぜひコナンくんを見るつもりで自分の目で評価してみてください。

◆パンフレット:720円

十二人の死にたい子どもたち

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【19-021】マスカレード・ホテル ★★★★☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
楽しみにしていたマスカレード・ホテルを鑑賞。

現場に不可解な数字の羅列が残される殺人事件が3件発生する。
警視庁捜査一課の刑事・新田浩介(木村)は、数字が次の犯行場所を予告していることを突き止め、ホテル・コルテシア東京で4件目の殺人が起きると断定する。
だが、犯人の手掛かりが一向につかめないことから、新田が同ホテルの従業員を装って潜入捜査を行う。
優秀なフロントクラークの山岸尚美(長澤)の指導を受けながら、宿泊客の素性を暴こうとする新田。
利用客の安全を第一に考える山岸は、新田に不満を募らせ……。


連続殺人を題材としたお話という事で、自分はこの映画をミステリー/サスペンス系と思って楽しみにしておりました。
各殺人事件の間にはある法則があり、その法則によって導かれた「次の殺人事件現場」がホテルという設定もとても面白いです。
そこから先ですが、結論から言うと、思った程のサスペンス感は無かったなぁという印象です。
少しずつ事件の謎は解けていくし、色々と新しい事が起こって事件の行方自体が読みづらい所はサスペンス感があったけど、終わってみればその連続殺人も謎解きも「エピソードの1つ」でしかなかったなと思いました。
それが悪いと言っているのではありません。この映画の本質は、少し変則的だけど「バディ・ムービー」そのものでした。
「ホテルマンと刑事」というまるで共通性の無い職業の2人がぶつかり合いながらもお互いを認め、そして偶然も重なって事件を解決するパターンですね。
まあ、現実的に考えると、一介の刑事が急に一流ホテルのフロントとして客の前に立つなんて有り得ませんよ。
でもそこはフィクションの娯楽映画(小説)。その設定を楽しまないとね・・という事で、早々にサスペンスはあきらめて、どこかちぐはぐだけど面白い2人のやりとりを楽しみました。

それでも中盤過ぎまではほぼ「ホテルを訪れるおかしな・愉快な・怪しい・ヤバい面々」の描写がリフレインされるばかりで少々ダレそうになりましたが、後から考えるとそれらのお客さんや出来事が連続殺人犯に迫る伏線になってたりして、それぞれ意味があったのねと気付かされます。

で、いよいよ終盤で真犯人登場・・・となりますが、その動機がまあ正当っちゃ正当だけど、あそこまで手の込んだ仕掛けをして・・っていうのが「そこまでするのか?」とちょっとだけ引いてしまった所もあり、個人的にはそこが減点要素でした。
あんな事でいちいち逆恨みされて命狙われたらホテルマンやってられないよね・・・。

でも、長澤&木村のコンビはなかなかハマっていて面白かったし、その他豪華な脇役も含めて、文字通りのグランドホテル形式で、どのエピソードもそれなりに楽しめます。
「木村&松+小日向×鈴木雅之監督」と言えば「HERO」だし、前田敦子にストーキングする男は後にリアル夫婦になる勝地だし・・・と、話題の「明石家さんま」なんですが、出ている事は知ってたのに映画が始まって30分以上そのことを忘れてしまってた為に画面に出てくる姿を確認できず・・・。
開始30分以内だった?うーん、悔しいです。。。

東野圭吾の小説はけっこう好きなんですが(やっぱり「白夜行」→「幻夜」の流れが最高)、こと映画になるとけっこう当たり外れがあるようにも思えています。
この作品はまずまず「当たり」の方と言えるので良かったですわ。
※ハズレの代表格は「ラプラスの魔女」か?

で、続編のうわさもあるけど・・・安易に「長澤&木村の恋の行方は?」みたいな甘っちょろい作品にはしないで欲しいものです。

◆パンフレット:720円

マスカレードホテル

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【19-020】サスペリア(2019) ★★☆☆☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
満を持して・・と言ってるうちにTOHOシネマズでの上映が終わりそうだったので慌ててサスペリアを鑑賞。

1977年、アメリカからベルリンの世界的舞踊団への入団を目指すスージー・バニヨン(ダコタ・ジョンソン)は、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)の目に留まり、次回公演の大役に抜てきされるが、スージーの周囲では、ダンサーたちが次々と行方知れずになる。
患者であるダンサーたちを捜す心理療法士のクレンペラー博士(ルッツ・エバースドルフ)は、舞踊団の暗部に迫っていく。


え〜、わたくしはオリジナルの「サスペリア」が大のお気に入りで、DVDを持っているにも関わらず2014年のキネカ大森でのリバイバル上映も観に行ってるし、2016年に川崎で行われたゴブリンの生演奏付きのイベント上映も観ています。
そんな映画がリメイクされると言われても、もうオリジナルと比較する意味すら全く感じないので、自分はこの映画を「サスペリア」と言う名の全く違う映画だと思って観ました。

で、感想を述べる前に・・・・とにかく長い!2時間30分オーバーですよ!
特に舞踊シーンがトータルするとかなり長く、けっこうな修行状態でした。
「舞踊」と書きましたが、オリジナルはバレエなんだけど、こっちは一見バレエと思わせつつ、何だか最終的には山海塾的な踊り(それでも一応バレエらしいんだけど)を大勢で踊り狂うというある意味それもホラーか!?と思わせる踊りです。

その踊りと「魔女」がポイントになっているし、舞踊団の子が次々と失踪するのもオリジナルと同じだし、ゴブリンとは全く違えども印象的な音楽も効果的だとは思うけど、まあこれが「ホラー」なのか?と言われると首を捻ってしまう。
最大のショッキングシーンとして体中の骨がバッキバキになっても僅かに息がある(そんなアホなww)場面は痛々しいけど、血や内臓は出ません。
ホラー好きな自分は血や内臓は全然大丈夫(少なくとも「映画」という設定でね)なんですけど、唯一大の苦手なのは「骨折・脱臼シーン」なんです。
関節が外れたり、普通は折れ曲がらない部分がポッキリ行っちゃうとか、曲がるはずのない方向に折れ曲がるってのが見てられないんですよ。
極めつけは、終盤のサラの骨折シーンですよ。もう折れた骨が皮膚を突き破って出てきちゃって・・・ぎゃぁぁぁぁぁ!!・・・って内心絶叫ですよ。
そういう意味ではこの映画は自分的には「ホラー」というより「最も痛い映画」という印象が強くなってしまいます。

そんな感じで場面としてインパクトのあるシーンはあったものの、背景となるドイツの情勢についての知識も無く、どこか芸術性に傾倒しているようにも見える作風は、「単純に怖いホラー」を欲する自分のニーズには合いませんでした。
オリジナルのジェシカ・ハーパーが出てくるのはご愛嬌で良いし、全然知らなかったんだけどクロエ・グレース・モレッツも出てきたのはビックリでした。

この映画、きっともっと掘り下げると色々と見所がありそうなんだけど、2時間半じゃあもう1回観る気もしません。
ドイツの情勢も勉強しないといけなさそうだし、ちょっと小難し過ぎてギブアップです。
(そんな理由で星2つでごめんね)

と言う事で、お口直しにオリジナルのサスペリアDVDをバックで流しながらこの記事を書いているのでした。
やっぱりアルジェント版は最高だわ。

◆パンフレット:880円

サスペリア(2019)

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【19-019】コントロール 洗脳殺人 ★★☆☆☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
また未体験ゾーンです。って事でコントロール 洗脳殺人です。

息子を亡くした悲しみから抜けられないローレン(クリスティナ・リッチ)とラッセル(ブレンダン・フレッチャー)は、都会から離れて静かに暮らすことにする。
万全なセキュリティーシステムが敷かれた高級マンションを不動産会社から紹介された二人はすぐに気に入り、入居を決める。
ところがローレンは、異様な幻覚や不可解な現象に見舞われ、周囲に相談するが誰も取り合ってくれなかった。


この映画のように、「端から見ると、"コイツ頭おかしくなっちゃったんじゃねーか?"と思わせる設定」というものは何本かありました。
やれ子供が居なくなったとか、確かに存在する人を訪ねても「そんな人は居ない」って言われるとか。
そういうのは大体その頭がおかしい疑惑の当人の方が実は正常で、周りが大仕掛けで嘘の事実で塗り固めている(それは何か大きな不手際を隠すためとか国家的な事情とか、かなり壮大な理由がある)ってのがテンプレートです。
従ってこの作品も、「あ、実際はクリスティナ・リッチの方が正常なんだろうな」と思って観ようとしましたが、そんな事を思う前にサブタイトルでネタバレしてんじゃねーか!?という事で何か拍子抜けします。

で、肝心の内容の方も、前半から中盤過ぎまでひたすら「何か変な事が起きてる!」って事が繰り返されるだけで今イチ乗り切れません。
もうキャスティングだけで怪しさ満開のジョン・キューザックが出てくるとようやく話が回り始めますが、あまり大した意外性も無く、概ね想定の範囲内で終わった感じかな。

それにしても、あんな豪邸に賃貸なんでしょ?月幾らなのよ??旦那は何をやってる人なの?秒速で億稼ぐ人なの?と、どうでもいい事が気になったりしました。
そしてクリスティナ・リッチ。何か自分が知ってたクリスティナ・リッチと別人みたいなんですけど・・。あ、もう30代後半なのか?じゃあしょうがないか・・・。(オチ無し失礼!)

◆パンフレット:販売無し

コントロール 洗脳殺人

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【19-018】21世紀の女の子 ★☆☆☆☆
category: 2019年の映画レビュー | author: moeru-movie
舞台挨拶見たさに21世紀の女の子を鑑賞。

1本8分未満が14本+エンドロールアニメも入れて15本と言うオムニバスです。
まあ8分じゃあ普通の映画みたいに起承転結にして・・というのはまずムリでしょう。
なので、言い方は悪いが「まともな映画じゃないんだろうな」とは思ってました。

結果・・・・・自分が最も苦手(もっとハッキリ言っちゃうと大嫌い)なタイプの映画でした。

過去にも何度も書いているが、自分は基本的にシンプルで分かり易くて「面白い」「怖い」「泣ける」というベタな展開が好きなのです。
一方で、映像やらカメラワークやらに拘り、「どう?オシャレでしょ?」「スタイリッシュどや!」「時代の先を行っちゃってるよね」と言わんばかり(というのは自分の妄想でしかないが)の「映像作家」が作る「画だけは綺麗・おしゃれ」だけど「内容は何が言いたいのか分からない」「まんまイメージビデオ」な「動く写真集」とも言える「映画みたいなもの」が大嫌いなのです。

更にこの映画は「自分自身のセクシャリティーあるいはジェンダーが揺らいだ瞬間が映っていること」をテーマに全員が女性監督と言う実験的な企画との事。
確かにLGBTだったり、「ジェンダー」がテーマと言うのも分かるんだけど、いかんせん8分だと、やっぱり「イメージビデオ」に見えちゃう。

極めつけはオムニバスのラストを飾る山戸結希監督(企画・プロデュースもこの女子です)の「離ればなれの花々へ」だ。
色々レビューを観ると、このオムニバスの中でも「圧巻」「別格」「泣いた」とかべた褒めの感想が目立つ。
しかし、あくまでも自分の好みで言ってしまうと、この作品こそ自分が最も嫌悪する作品なんだよなぁ。
花を背景に、綺麗な服を着た女の子がひたすら文学的な台詞を舞台劇での台詞回し的な言い方で発し続ける。それを撮るカメラは切り替えも多く、自分から見たら落ち着きの無いトリッキーな撮り方に終始している。
うん。見た目は綺麗ですよ。でも、ハッキリ言って何言ってるのか、自分の頭の中には全く入って来なくて、やっぱり「動く写真集」を見ているだけで終わった印象しか残らないのです。

この山戸結希監督と言えば、自分がやっぱり星1つしかつかなかった「溺れるナイフ」の監督なんだよなぁ。
でも、MVも良く手掛けていて、何と乃木坂46の「ハルジオンが咲く頃」や西野七瀬の「ごめんね ずっと…」も山戸監督の作品だとか。
いやいや、乃木坂の2本のMVは、自分は好きな部類なので、全く自分に合わないって訳じゃあ無いんだろうけど、やっぱり「劇映画」(もしくは「娯楽映画」)として観ると「全然面白くない」ってなっちゃうのかも。

そんなわけですが、全体的に画はオシャレなのも多いし、それぞれの短編に出てくる女の子はみんなカワイイです。
やっぱり山田杏奈はカワイイし、是枝監督の「誰も知らない」で小学生の長女だった北浦愛もすっかりお姉さんだし、伊藤沙莉もやっぱりいいなぁ・・と思うし、黒川芽以もそういうアダルトな立ち位置なのか・・・と感慨深いし・・って、何か気が付くと子役出身の女子にばかり目が行ってるぞ。
要するに、出演者はさすがに「動く写真集」に出てるだけあって、皆さんいい感じに映ってます。
だけど、それだけなんだよな・・・・

はい。全くの「映画に関する個人的な嗜好」と全くマッチしなかったという事でこんな点になってしまいました。
これが20分×6本とかだったらまた全然違った印象になるかもしれないけどね・・・。

◆パンフレット:1400円(高!)

21世紀の女の子
21世紀の女の子
21世紀の女の子
21世紀の女の子
21世紀の女の子
21世紀の女の子

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