2013.12.31 Tuesday/13:03 |
【13-133】FLU 運命の36時間 ★★★☆☆ |
category: 2013年の映画レビュー | author: moeru-movie |
2013年最後の映画鑑賞はFLU 運命の36時間です。
郊外の街・盆唐に密入国者たちを運んだ男が、謎のウイルスに感染して死亡。それから24時間も経過しないうちに市内の病院で似た症状の患者が続出し、次々と命を落としていく。爆発的な勢いで拡散するウイルスを止めるすべのない韓国政府は、国家災難事態を発令して盆唐の完全封鎖を敢行。救急隊員ジグ(チャン・ヒョク)は女医イネ(スエ)と出会い、医療活動に当たる彼女に代わって娘ミル(パク・ミナ)を守ることに。だが、世界的感染を恐れたアメリカ軍が盆唐を丸ごと消滅させる攻撃計画を進めていた。
個人的には、この手の「ウィルスもの」(パンデミックもの)が好きなんですよ。
そうは言っても、決まってオチは「抗体を持った人が居てワクチンができた」「変異して無害」という具合に決まっている。
まあ仕方が無い。そうでもしないと延々「感染」⇒「死亡」の繰り返しでオチないし、そのまま世界が病気で滅びて終わりじゃあシュール過ぎる。
それでも「コンテイジョン」なんかは面白かったし、有名な「アウトブレイク」も原作は面白かった。
それに対して日本人がこの手の映画を撮るとどうなるか?と言うと、「感染列島」みたいな間の抜けたお花畑映画に成り下がると言うクオリティを露呈してしまうわけだが、さて韓国映画だとどうなるのか?と。
序盤から中盤までは「病気発生」⇒「各地で拡散していく」⇒「感染者多数・死者多数」という具合にある種のセオリー通りに話は進んでいきます。
しかし後半からは、「感染モノ」と言うよりも人間同士の「生」をめぐる争い事が中心になっていきます。
パンデミックが広がる事によるパニック描写はこの手の映画にはつきものですが、「ウィルスに対抗するには?」という展開は置いておいて、「何とか助かりたい感染者」と「感染者を外に出したら更に被害が広がるので制圧したい国家」という図式が中心で「感染系映画」としての要素はかなり薄まってしまいます。
これはこれで生々しくリアリティがあるとは思うんだけど、その一方で肝心の病気の方は「抗体を持った少年が居ました」という事で簡単に片づけられてしまっているのは少々バランスが悪い印象です。
そして最後は、日本で言うと芦田愛菜ちゃん的な少女の泣き演技で全てが丸く収まります。
ベタっちゃあベタだけど、子役の泣き芝居は日韓共に弱いみたいで、ベタな展開に文句を付ける気持ちはなくなります。
それにしても気になったのがミルを助けたい一心で「医者」という立場を忘れて奔走するイネと「救助員」と言いながらもイネへの個人的感情を最優先してミルの救出に固執するジグだ。
ミルと「抗体を持った少年」が偶然会っていた事によりミラクルな回復劇へと繋がり、最終的な病気制圧へと繋がったからいいものの、こいつらがやってた事は、一歩間違えば「国」あるいは「世界」規模で人類を滅ぼしてしまう可能性のあるものだったと考えるのはガチ過ぎるのでしょうか?
これはラストの「あの街は爆撃してしまえ」派と「まだ生存者が居る!」という争いにも通じるんだけど、何かこの手の映画って必ずこういった「国際規模よりも身内への人情」対「非情だけど国を救う為の決断」という二択になり、「人情」が勝つというオチになるのは、ある意味ガッカリです。
まあ、そういった展開は、日本でも「海猿」等でも定番ですからね。テンプレート展開と言う事で安心して楽しむのが吉なのでしょう。
さて、登場人物のキャラ付けなんだけど、ハッキリしていると言えばハッキリしているが、疑問なのが主役女のイネのキャラ。
医者であり、シングルマザーとして娘を育て、それでいて美人系で・・・と言う点ではジグが惚れるのも無理はないと思いながらも、冒頭の「自動車事故救助シーン」では何故あんなにワガママのバカ女描写にしたのか?
あのシチュエーションで「ありがとう」の一言も言えない女なんて、普通に考えたらロクなもんじゃありません。その後は特にバカ母っぷりを発揮する事もなかったので、単なるツンデレ狙いなのかとも思えますが、何か違和感を覚えました。
そしてこんな緊迫した内容でも、韓国映画だと必ずどこか能天気なおめでたい奴が登場するんだけど、案の定居ました。
まあおとぼけキャラも控えめだったので、特には気にならなかったかな。
そんなわけで、ハラハラしながらも結構ツッコミ所もあって、色んな意味でお楽しみ要素はあります。
これぞ「人がゴミのようだ〜!」という「人間UFOキャッチャー」のシーンについては、本来は戦慄すべきシーン(だって生存者だって居るのにねぇww)が、何か可笑しく見えてしまった自分は非道なんでしょう。
それでは風邪も流行るこの季節。
せめて咳をする時は口を押さえるかマスクをしてください。
拡散する病原菌が目に見えたら、もう外は歩けなくなるな・・・・
◆パンフレット:A4判・16頁・600円
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郊外の街・盆唐に密入国者たちを運んだ男が、謎のウイルスに感染して死亡。それから24時間も経過しないうちに市内の病院で似た症状の患者が続出し、次々と命を落としていく。爆発的な勢いで拡散するウイルスを止めるすべのない韓国政府は、国家災難事態を発令して盆唐の完全封鎖を敢行。救急隊員ジグ(チャン・ヒョク)は女医イネ(スエ)と出会い、医療活動に当たる彼女に代わって娘ミル(パク・ミナ)を守ることに。だが、世界的感染を恐れたアメリカ軍が盆唐を丸ごと消滅させる攻撃計画を進めていた。
個人的には、この手の「ウィルスもの」(パンデミックもの)が好きなんですよ。
そうは言っても、決まってオチは「抗体を持った人が居てワクチンができた」「変異して無害」という具合に決まっている。
まあ仕方が無い。そうでもしないと延々「感染」⇒「死亡」の繰り返しでオチないし、そのまま世界が病気で滅びて終わりじゃあシュール過ぎる。
それでも「コンテイジョン」なんかは面白かったし、有名な「アウトブレイク」も原作は面白かった。
それに対して日本人がこの手の映画を撮るとどうなるか?と言うと、「感染列島」みたいな間の抜けたお花畑映画に成り下がると言うクオリティを露呈してしまうわけだが、さて韓国映画だとどうなるのか?と。
序盤から中盤までは「病気発生」⇒「各地で拡散していく」⇒「感染者多数・死者多数」という具合にある種のセオリー通りに話は進んでいきます。
しかし後半からは、「感染モノ」と言うよりも人間同士の「生」をめぐる争い事が中心になっていきます。
パンデミックが広がる事によるパニック描写はこの手の映画にはつきものですが、「ウィルスに対抗するには?」という展開は置いておいて、「何とか助かりたい感染者」と「感染者を外に出したら更に被害が広がるので制圧したい国家」という図式が中心で「感染系映画」としての要素はかなり薄まってしまいます。
これはこれで生々しくリアリティがあるとは思うんだけど、その一方で肝心の病気の方は「抗体を持った少年が居ました」という事で簡単に片づけられてしまっているのは少々バランスが悪い印象です。
そして最後は、日本で言うと芦田愛菜ちゃん的な少女の泣き演技で全てが丸く収まります。
ベタっちゃあベタだけど、子役の泣き芝居は日韓共に弱いみたいで、ベタな展開に文句を付ける気持ちはなくなります。
それにしても気になったのがミルを助けたい一心で「医者」という立場を忘れて奔走するイネと「救助員」と言いながらもイネへの個人的感情を最優先してミルの救出に固執するジグだ。
ミルと「抗体を持った少年」が偶然会っていた事によりミラクルな回復劇へと繋がり、最終的な病気制圧へと繋がったからいいものの、こいつらがやってた事は、一歩間違えば「国」あるいは「世界」規模で人類を滅ぼしてしまう可能性のあるものだったと考えるのはガチ過ぎるのでしょうか?
これはラストの「あの街は爆撃してしまえ」派と「まだ生存者が居る!」という争いにも通じるんだけど、何かこの手の映画って必ずこういった「国際規模よりも身内への人情」対「非情だけど国を救う為の決断」という二択になり、「人情」が勝つというオチになるのは、ある意味ガッカリです。
まあ、そういった展開は、日本でも「海猿」等でも定番ですからね。テンプレート展開と言う事で安心して楽しむのが吉なのでしょう。
さて、登場人物のキャラ付けなんだけど、ハッキリしていると言えばハッキリしているが、疑問なのが主役女のイネのキャラ。
医者であり、シングルマザーとして娘を育て、それでいて美人系で・・・と言う点ではジグが惚れるのも無理はないと思いながらも、冒頭の「自動車事故救助シーン」では何故あんなにワガママのバカ女描写にしたのか?
あのシチュエーションで「ありがとう」の一言も言えない女なんて、普通に考えたらロクなもんじゃありません。その後は特にバカ母っぷりを発揮する事もなかったので、単なるツンデレ狙いなのかとも思えますが、何か違和感を覚えました。
そしてこんな緊迫した内容でも、韓国映画だと必ずどこか能天気なおめでたい奴が登場するんだけど、案の定居ました。
まあおとぼけキャラも控えめだったので、特には気にならなかったかな。
そんなわけで、ハラハラしながらも結構ツッコミ所もあって、色んな意味でお楽しみ要素はあります。
これぞ「人がゴミのようだ〜!」という「人間UFOキャッチャー」のシーンについては、本来は戦慄すべきシーン(だって生存者だって居るのにねぇww)が、何か可笑しく見えてしまった自分は非道なんでしょう。
それでは風邪も流行るこの季節。
せめて咳をする時は口を押さえるかマスクをしてください。
拡散する病原菌が目に見えたら、もう外は歩けなくなるな・・・・
◆パンフレット:A4判・16頁・600円
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